七夕
願いよ届け夜の川に
人の思いで繋ぐひとつの逢瀬
祝福するように輝く星々
祈るは幸せのみ
たなからぼた餅なんてよく言ったもんだ
なんだかんだラッキーだったけど…
ばかな君はそれですぐに幸せになってしまう
ただ、君の笑顔が好きな自分はもっと馬鹿
神様だけが知っている
僕らの常に死と隣合わせだ。
でもそれは、幼い頃からの憧れで、自ら選んだ名誉ある仕事だから不満に思った事は一度もない。
今隣にいる君だって、僕の隣から居亡くなるかわらかない。
でも僕たちはそんな有るか無いかもわからないような出来事を気にして生きてなんかいない。僕たちだけで過ごしている時はそれらしく過ごす。
君の少し高めの体温、強めの言葉から読み取れる優しさ、二人の時に流れる時間は何よりもかけがえのないものだ。
君と過ごす時間に得られる安心は、君の隣だからこそ得られる僕の幸せで、君もそれを理解しているからこそお互いが同じ気持ちになれる。
いつか殉職もあるような、そんな道を選んだ僕たちだけど、それは神様だけが知っている事で、今の僕たちはこの二人の空間を今を楽しむ、それだけでいい。
子供の頃
僕は子どもの頃、君の後を追い掛けてそれになった気分になっていた。
君と同じ事をしていれば何者でもない僕でも名のある者になれるかもと思ってたから。
でもそれは子どもの頃の僕がみたかった夢に過ぎなかった…成長するにつれて君と僕の違いは誰もがわかるようになり、それが僕をより現実として自覚させた。
君の後を追い掛けていたあの時がどんなに惨めで幸せか子ども頃はわからなかった。
好き嫌い
僕らは恋人同士だ。
「好きだ」短い言葉で告白されて僕らは付き合った。
「あの人は?」
お付き合いしてから僕らの関係は大きく変わった。
「どうでもいい」
でも僕への君の態度が変わらなくて周りに心配された事もあった。
「彼は?」
最初は悩んだけど、ある時に気づいた。僕だけが知っている僕への特別な事。
「奴はいつか俺が倒す」
周りに興味関心が強いほうじゃない君だけど、
「倒すって…そしたら彼女は」
いざ君に周りの人の事を聞いてみると倒すとか、どうでもいいばかりなのに
「どうでもいい」
「…僕は?」
「………」
僕の事を聞けば
「嫌いだ」
はっきりと言葉をぶつけてくれる。
別にどう思うかを聞いてるだけで好きか嫌いかなんて聞いてないんだけど、君らいしなとちょっと心の中で笑ってしまう。
でも何だかんだちょっとしてからいつも君から言う。
「好きに決まってんだろう、ふざけんな」
僕への嫌いの言葉は好きの裏返し。
強気で勝気、僕のライバルで親友で恋人の君。
「僕も好きだよ」
そう言うと少し満足そうに笑う、君の顔も僕だけが知ってる特別な事。
誰にも言えない秘密
僕らの関係を知った時、世間はどう思うのだろうか。
祝福?批判?それとも案外反応はない?
世間では王子様とお姫様が恋をして結婚するのが理想の形なんだと思う。
でも僕らは…。
どちらか言うわけでもなく、お互いの感情なんて確認しないで置き去りにして、ただ一夜を同じベッドで過ごしている。
同じ家に住んでるわけではない、のに連絡がくればどちらかの家を訪れ、朝何も無かったように朝食を食べて情報交換をして職場へと向かう。
いつか恋人が出来れば終わるだろうと思ったこの関係は、恋人という終止符が打たれるとこと無くずっと続いている。
相手の感情がわからない以上、これから関係が変わることはない。
僕の感情だって僕自身理解していない。きっと理解した所で何も変わらないだろうから。今はただ君との名前のない、誰にも言えない二人の関係を楽しむだけだ。