ないものねだり
桜や雪景色のように綺麗で
薔薇や金色のように高貴で
海のように心広く
秋のように暖かい
時には梅雨のように冷たく
夏の砂浜のように熱く叱り
そんな人間になりたい、なんて思わない。
ないものねだりでも理想が高いでもない。
私は私が思う私で居たいだけ。
好きじゃないのに
どうして好きじゃないのにこの仕事をしてるかって?
そんなの僕にはこれしかないからだよ。
そんな事を言って青い空を眺める。
あの時は誰よりも空が近くに感じた。
今も誰よりも空に近い場所には居る。
けど、あの時とは違う。
別に空が好きとかじゃない。前の仕事は好きだったけど。
今はもう出来ないから。あの時と同じ空を感じる事はもう出来ない。
今の僕の場所だってたまたま空に近い仕事場だっただけ。
好きじゃないのにどうしてその場にずっと居られるのか、当然の疑問だと思う。
別に好きじゃないからって、嫌いじゃないんだよ。
特別な存在
あなたの前では決して狂わない。
あなたの前では決して怒らない。
あなたの前では決して取り乱さない。
私の為にあなたの感情を揺らしたくない。
私のせいであなたを困らせてたくない。
私の行いで負の感情を抱かないで。
あなたには笑って欲しい。
あなたには幸せになって欲しい。
あなたは私にとって特別な存在だから。
バカみたい
バッッッッカみたい!
街をぶらぶらしてたら恋人が異性と花を選んでいた。
花を見て恋人はデレデレとした顔で異性と話をしている。
なんなの!?私という恋人がいながらデレデレと!
それを見て腹が立ち早足にその場から離れ心の中で大きくバカ!!!!!!と叫んだ。
自分の部屋の片隅で布団をかぶり小さくなる。子どものようないじけ方だって分かってる。わかっていてもこうするしかない。だって私は…。
「ただいま〜」
恋人と同棲しているから。
同棲まできたんだもん、もちろん恋人は浮気なんてした事ない。だから心配や嫉妬、不安なんて今まで一度も恋人に対して疑った事なんてなかった。
それなのに!それなのに!!!
靴を見てどうせ帰ってきてるのなんて分かってる。どうして私が部屋の片隅で小さくなってるのかはきっと分からないだろうけど。
「どうしてそんな所に?ん〜とりあえず、はい、これ」
「…えっ…!?」
ポンと頭の上に軽いものが乗る。それは花の香り。驚いて恋人を見る。
記念日でしょ?そう言って少し照れくさそうに笑う恋人。
バカだったのは私だったみたい。恋人にこんな顔をさせるのはきっと世界を探しても私だけだと思う。
バカみたいな心配をした過去の自分を追いやって恋人に飛び付いた。
二人ぼっち
君と私のお墓を建てた。
早くに両親をなくした私たちには死んだ時に入る場所など知る由もない。
だから私たちは誓いあった。
生きてる間も死んでからも同じ場所であなたと一緒に。
泣く時も笑う時もあなたと分かち合いたい。
そんなお互いの思いから私たちはお墓を建てた。
お墓の横には名前が彫られるが、私たちの名前だけが刻まれている。
君と私の、二人ぼっちのお墓。