コハク

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バカみたい

バッッッッカみたい!
街をぶらぶらしてたら恋人が異性と花を選んでいた。
花を見て恋人はデレデレとした顔で異性と話をしている。
なんなの!?私という恋人がいながらデレデレと!
それを見て腹が立ち早足にその場から離れ心の中で大きくバカ!!!!!!と叫んだ。
自分の部屋の片隅で布団をかぶり小さくなる。子どものようないじけ方だって分かってる。わかっていてもこうするしかない。だって私は…。

「ただいま〜」

恋人と同棲しているから。
同棲まできたんだもん、もちろん恋人は浮気なんてした事ない。だから心配や嫉妬、不安なんて今まで一度も恋人に対して疑った事なんてなかった。
それなのに!それなのに!!!
靴を見てどうせ帰ってきてるのなんて分かってる。どうして私が部屋の片隅で小さくなってるのかはきっと分からないだろうけど。

「どうしてそんな所に?ん〜とりあえず、はい、これ」

「…えっ…!?」

ポンと頭の上に軽いものが乗る。それは花の香り。驚いて恋人を見る。
記念日でしょ?そう言って少し照れくさそうに笑う恋人。
バカだったのは私だったみたい。恋人にこんな顔をさせるのはきっと世界を探しても私だけだと思う。
バカみたいな心配をした過去の自分を追いやって恋人に飛び付いた。

3/23/2023, 9:37:25 AM