居心地が良かった。
ずっと、そのままでも、良かったんだ。
でも、届かないのは嫌だった。
望んだわけじゃなかった。
なのに、逃げ出さなかった。
向けられる眼差しが、差し出された手が、紡がれる言葉が。
思考を、身体を、まるで”鳥かご”のように囲っていた。
ーーーだけど、鳥は自由に羽ばたくものでしょう?
「……もっと早く、こうしていれば良かったのかな」
赤く染まった両手を眺めながら、そっと全てに蓋をした。
鳥かご
正直、解らなかった。
結ばれていると言えば、そうなんだろうけど。
どちらかと言えば、依存と言える状態で。
頼り頼られ、なんて、自分にはできなくて。
頼ってばっかりで、何にも返せていないのが現状で。
だから、解らなかった。
自分が、頼ってばかりだったから。
そしてそれはこれからもそうなんだろうなって、思ってる。
”友情”なんて綺麗な言葉で済まされないくらい、自分が抱く感情はいつだって最低最悪だって突きつけられるんだ。
友情
綺麗な例えだと思う。
綺麗で、鮮やかで、望まれていたんだって、解るから。
少しだけ、寂しさがあるのは。
それが必ずしも良いことばかりじゃないと勝手に思ってしまうからなんだろう。
”花咲いて”の後に続く言葉は。
いつだって希望に満ちたものであって欲しいと願ってやまないんだ。
花咲いて
どちらに行こうか。
きっと、どちらでも構わないんだろうな。
でも、どうせななら過去に行きたい。
やり直したいことがありすぎて、後悔が多すぎて仕方ない生き方をしてきたから。
でも、戻ったところで何ができるわけじゃない。
それは、先に進んだところでも同じなんだろうな。
”もしもタイムマシンがあったなら”、過去に戻るんだろう。
そして、後悔を深めるのかもしれないし、払拭するのかもしれない。
もしもタイムマシンがあったなら
色々とあるとは思う。
時間、お金、人望、名声、多分どれもあればあるだけいいと思う。
でも、何かを得るために何かを失うことが常で。
そうやって、頑張ってきた人達がいる。
それを受け入れられない自分は、だからこう願うんだろう。
”今一番欲しいもの”は、失わずに得ることができる世界が欲しいって。
今一番欲しいもの