【誰もがみんな】
隠されているんだよ
いつもね
だけど 本当は知っている
誰に教えてもらわなくても
どうしてだか 辿り着く
草花のトンネルの向こう
──誰でも行けるんだよ、
子供ならみんな。
隠されていたんだよ
本当なんだ
でももうわからくなった
誰もがみんな知っていた
秘密の場所はトンネルの向こう
【どこにも書けないこと】
空を切る 空を切る
から廻る から廻る
無いものはどこにもないから
知らないフリをしてただけ
賢いあの子たちの会話
いつの間にか建つビル
圧死しそうな価値観は
常に「いらない」を突きつける
傷つくだけの選択肢なら
たっぷりあるよ、どれがいい?
殻を捨て 殻を脱ぎ
新しい自分のすぐ外に
また別の殻があるだけ
言葉がないから書けやしない
どこにも 誰にも わからない
【1000年先も】
擦り切れた辞書を捲る
孤独な民族のように歩いてきた
その証明の如く
影がテーブルに沿って落ちる
ゆるく ながく
時は時のまま
陽の優しさの中で溶け
わからない
ペンだけでは何処にもいけない私達だから
重ねてきた その時を 証明を
言葉だけが分つ
そうして1000年先も歩む
決められた道を往く
孤独な民族のように
【旅路の果てに】
それは人生と言うありきたりな旅でした
詩人から何億回も謳われてきた旅でした
生きて、死んで、生きて、生きて、死ぬ
旅と言うには退屈な日々を過ごしました
本日もお日柄よく生きてしまっています
いつかは終わるからなんて格好つけても
その瞬間をどれだけ真剣に学んでいても
心の中は悲しいほど生に依存しています
さもしく寄り添って時々嫌い合いながら
それは人生というありきたりな旅だから
生きて、生きて、生きて、生きてほしい
そして旅路の果てに思い出す時があれば
どうか笑って
【街へ】
いつかの夢を叶える為
なんちゃって本音は目立ちたい
人生も思考も行動も
ありふれてるなんて言わないでさ、
ちょっと賭けてみた、なんてどう?
街へ飛び出せば
似たようなモブが整列して
君と僕の境界は幸せに結婚
列席も割愛して整然と並ぶ
やっぱり運命は拒否して
唯一無二の自尊心と踊ろう
街へ飛び出せば
君と僕は息の根を止め合う
なんちゃって生きてる人だから
動画の中に永遠があればいいね、
とか寒い言葉で満たされた
愛し愛される世界線で逢いましょう