またね
君の「またね」は聞きたくないが聞きたい
泡になりたい
「泡になりたい」
「どした?急に」
「なんか楽しそうじゃない?ふわふわ流れて空から景色を見るの」
「あ〜たしかに」
「じゃあ僕も泡になりたいかな」
「流されやすすぎでしょ」と君が笑う
「君が言うから流されやすいんだよ」
なんて言えてたら、僕らの関係は違ったのかな
ただいま、夏。
ただいま、夏。お前変わっちまったな。
変わったのは僕かお前か
暑くなる夏に熱くなれない
波にさらわれた手紙
書いた手紙は数え切れず
送った手紙は数えられず
人並みに文章が書けない私は今日もまた彼に向けて言葉を綴る
モテモテの彼は、手紙なんて貰い飽きてるだろう
なら、少しでも特別に
文字は丁寧に、文章はちょっぴり個性的に、絵を添え、梱包も最大限丁重に可愛く、より良く、より良くと何度やり直しただろうか
まだやり直したいが今日は旅立ちの日
今日渡さなければもう渡す機会はないだろう
どうせ最後だ、直接渡そう
機会を伺う.
機会を伺う..
機会を伺う...
キーンコーンカーンコーン
最後のチャイムがなってしまった
君は、他の子と話している
「最終下校の時刻になりました。忘れ物に注意し速やかに下校しなさい。」
まずい帰らされてしまう
最終日だけあって生徒が残りすぎていた
皆が同時に出される
私も君も他の皆も
君と私の間には人が多すぎる
追い抜けるほどの隙間もなかった
終わった...
家に着いてしまった
渡せてないのに
涙が出そうだが責める相手が私しかいない
終わったんだな、私の青春
あれだけ書き直した手紙は、
いとも容易く人波にさらわれた
8月、君に会いたい
1月、君を知らない
2月、君を知らない
3月、君を知らない
4月、君に出会った
5月、君を知りたい
6月、君に会いたい
7月、君に会いたい
8月、君に会いたい
9月、君に会いたい
10月、君に会いたい
11月、君に会いたい
12月、君に会いたい
1月、君に会いたい
︙
︙
︙
あぁ、君に会いたい