空恋
「空恋」って「そらこい」ですかね「からこい」ですかね
折角なのでそれぞれの解釈で書きました
「空恋(そらこい)」
大好きな貴方へ
僕が好きだと伝えたら
謙虚な君はどこが好きなのか聞くかもしれない
君と話してると楽しい、君の顔も好き、君の声も好き、君の優しさも好き、君の厳しさも好き、君の強さも好き、君の弱さも好き、君がいるこの地も好き、君を反射するこの海も好き、君を輝かせるこの空も好き、君の事をまるごと愛すると誓おう
君ごと、空ごと、宇宙ごと
「空恋(からこい)」
大好きな貴方へ
僕が好きだと伝えたが
僕と別れてくれないか
長くて短くて長い4ヶ月だった
僕とは釣り合わない高嶺の華であったはずの貴方
抑えきれず伝えた好きに
意外にも貴方はすぐに首を縦に振ったよね
嬉しかったけど疑問を感じた、でも僕は思考から逃げたんだ、僕を守るために
綺麗な貴方は綺麗なだけじゃなかったね
デートコーデは毎回違うのに毎回が最高にお洒落で
デートの集合は必ず約束の丁度7分前に着く
好きだと伝えれば好きだと返してくれていた
ごめんね変な奴で
それだけ最高の彼女として隣にいてくれたのに
なんだか貴方の好きには恋を感じれなかったんだ
振り返ると、貴方から好きと言うことは一度も無かったよね
最近思考から逃げれないんだ
貴方にとっては空っぽな恋なんじゃないかってさ
考えたくないのに考えたくないと思うほど考えてしまって
まだまだ貴方を大好きなのに好きであるほど虚しくなって
だからさ
僕と別れてくれないか
また、君はすぐに首を縦に振った
「今までありがとう、本当に大好きでした」
悩んで欲しかったなんて言えないな
好きなままの貴方には
波音に耳を澄ませて
僕は今日告白する!
覚悟は決めた、今日のデートは3回目
1回目は映画で、2回目はショッピング
そして今日は水族館
ここまでは完璧だ
このあとはイルカショーをみて水族館をでて
そして夕焼けが照らす中、海辺で告白するんだ!
そんな考え事をしてたらイルカショーも終わってしまった
ショーではなく隣のあの子のはしゃぐ姿しか記憶にはないが
さぁ水族館をでた
海辺に向かって歩き出す
夕日がいい感じに眩しい
言うぞ!言うぞ!言うんだ!!
「あのさ、」
「どうしたの?」
「ずっと前から好きでした!付き合ってください!」
完璧な状況にシンプルで直球な告白
これほどのものはないと思った
完璧だったんだ
彼女からの返答以外は
「う〜ん、ごめんなさい。◯◯君のことは友達としては好きなんだけど、恋愛って感じじゃないんだよね」
続けて言う
「でも私が恋愛に今興味がないってだけでいい人だとは思うから私よりいい人が見つかると思うよ!」
「ごめんね」
謝らないでくれ!励まさないでくれ!
「そっか、ありがとう」
せめて最後までかっこよくいたかった
彼女のことを帰るまで送るのが紳士なのかもしれないが今日は置いていってもらった
今はただ、波の音に耳を澄ませよう
僕の心の泣く声を、少しでも聞かないために
青い風
「なんか風が青い感じがするね」
「そうだね」
何を言っているのかを理解する前に返事をしてしまった
風が青いってどういうことだろう
君の豊かな感性にはどうも追いつけない
風に色なんてあるわけないだろ
だって風ってのは空気の流れなわけで、空気っていうのは無色で…
違うよな、君が言いたいのはそういうことじゃないってとこまでは分かるんだ
青い風ってなんだろう
まぁいいか、いつかわかるさ
そのまま2人で話しながら歩く
歩きにくい砂の上、声に混ざる波の音、そして君の優しい笑顔に思考なんてする暇もないとき、眩しい光とともに強い風が水を運んだ
砂浜、白波、君の横顔
僕らを横切るその風は
なんだか青く見えたんだ
遠くへ行きたい
大好きな彼女に会いに行きたい
彼女に会えるならどこへでも行ける
(後で完成したら別の文にします)
クリスタル
あぁ美しい
艶めく髪に、煌めく瞳、眩しい笑顔に、優しい声、可憐な背格好、何をするにも美しい所作
何もかもが美しい貴方は出会う者皆を魅了する
まるで輝く宝石のような君を見つめて、つい考えてしまう
僕はなんて個性がないのだろう
綺麗でもなければ醜くもないし、表情はまぁ良くも悪くも全部でる、瞳は綺麗な方かもな、声は好きじゃない、姿勢はちょっぴり猫背で、所作は最低限しか気にしてない
素直で隠さないけど晒しきらない透明と不透明との中間のような存在
君と比べるのもおこがましい
ある夜、コンビニ帰りに君を見かけた
月の光に照らされる君は一段と美しい
君は走る足を止めて僕に話しかけた
他愛のない会話をしたあとまた君は走り始めた
他愛のない会話を思い出して脳内で何度も繰り返す
幸せな帰り道、ふと気づいた
なぜ彼女はランニングをしていたのか
背格好だって所作だって彼女は努力していたんだ
当たり前なことに今更気づく
全部そうだ
宝石のような彼女はどこまでも宝石のようであった
削って磨いて削って磨いて理想を目指して努力をしていたのだ
おこがましいと逃げるのはやめよう
透明と不透明の間、曖昧な僕
せめて透明になろう
強い色がなくても、綺麗な造形じゃなくてもいい
粗は削って、素を磨いて
僕は目指そう、僕なりの水晶を