#29 空模様
[一切皆空]
青々とした天空に、
ふわふわ雲が
プクプク浮いている。
純白の眩い光が差し込む。
今日もお日様は神々しい。
首を垂れて一礼する。
そうだ。
私もお日様みたいに光になろう。
そうすれば、誰かの暗闇にも光は届く。
光に満たされた暗闇は、
いつのまにか闇を忘れてしまうことだろう。
天はいつでもあたたかい光で抱擁する。
そして、天は自ら助くる者を助く。
今日も自らの手で、天に光を灯そう。
さすれば天も光を与えよう。
#28 鏡
[人の心を写す鏡]
鏡の前に立つと、
私の目と目が合う。
今の私の心を如実に写す鏡のはずだが、
なぜだろうか。
神様へのご挨拶している気分にも
なってくる。
鏡を通じて、
八咫鏡に通じる何かを
感じとっているのだろうか。
きっと、人の心の中にも神様が
宿っているからだろう。
世の中の生きとし生けるものには
全て魂が宿っているとするならば、
それは人の心にも当てはまるのでは?
鏡よ鏡、この世で一番美しいのは誰?
シンデレラの悪役のセリフは
もしかしたら、悪役自身の本心を
語ったに過ぎないのかもしれない。
#27 いつまでも捨てられないもの
[愛用品に宿る心]
物は、
愛用品ほど勝手に捨てられる。
だから、
絶対にいつ無くしても
代用品で復元できる、
もしくは
綺麗さっぱり諦めるイメージで
品物を選ぶ。
捨てられないものは、
みえないものたち限定にしている。
例えば、みえない相手の優しさ。
知ってる人にしかわからないように、
それとなく会話する。
でも、何よりも大切にしているもの。
自分の中の優しさもこれに同じ。
みえないからこそ、価値がある。
物の中にも優しさが宿っている。
作り手の心意気が其処彼処に乗っているのだ。
壊されたとしても消えないもの。
今まで使わせてくれてありがとう。
感謝して置きたい。
#26 誇らしさ
[生まれてくる命]
妊婦の方をみると、
生まれてくる命を守ろうとする
オーラが漂っている。
母性本能はすごい。
この世に生まれ出る赤子の魂を
守ろうとする意識が、
その女性を強くする。
子供を持つ母親に勝てない訳だ。
そんな母親が誇らしくみえてくる。
無事に生まれてくるといいな。
妊婦のお腹の膨らみをみると、
例え自分の子供ではなくても、
生まれてくる新しい命に
誇らしさを感じる。
生まれにきてくれてありがとう。
無事に生まれてきてね。
誰かに愛情を注がれてね。
生まれて来れなかった命の分まで
幸せになってね。
そんなことを
見ず知らずの通行人は想った。
#25 夜の海
[深淵の海]
夜の海は
どこまでも深い濃紺の世界。
人間世界のどんな出来事も
大海の前には霞んでしまう。
あぁ、自分はこんなことで悩んでいたのか。
悩みなんて、この大自然の中では
こんなにもちっぽけなものだったのか。
もっと広い視点で物事を考えなくては、
この海の足元にも及ばない。
悩みなんて最初から無かった。
夜の海が全てを飲み干してしまった。