『やさしさなんて』
ふわふわの 毛布のように
抱きしめられた ぬくもりみたいに
風邪の日の お粥のように
やさしさなんて 転がっている
あるはずの 星が見えない
それがどんなに 怖かったでしょう
そこにいる 存在こそが
やさしさという ひかり…だったのです
武器にして 盾にも使い
なんでもありの 百戦錬磨
傷つけて 殺しもしてる
やさしさなんて わたしの罪だ
しのぶ夜 寄り添うように
眠らず泣いてた あなたになって
あすもまた 見上げるだろう
やさしさじゃなく 愛と…名付けたい
『風を感じて』
やさしさという 風を感じて
繋がりという 風を感じて
ぬくもりに似た 時を抱きしめ
すくんだ足を 前に押し出す
地面の虫を 踏んだらなんて
怖がり歩く 人はいるのか
無残なほどに 冷酷なんだ
生きるってやつは 殺し屋なんだ
善と悪とを 入れ替えながら
大人になっなら もっと酷くて
それでもなにかで 折り合いをつけ
感情を消して 転がり落ちる
むくわれるとか 見返りなんて
ホントーはだれも 信じちゃいない
他人の不幸に 安堵を感じ
みくだせてやっと 手を差しのべる
すべてがそうだと 思ってしまう
傷つき過ぎて 怖くて震える
人って不思議で いろいろあって
簡単じゃない 裏があるんだ
やさしさという 風を感じて
繋がりという 風を感じて
まちがっていても 受けとめたくて
あなただったら 傷ついていい
『夢じゃない』
知覚過敏を耐えながら
堪能していたかき氷
頭にキーンが来たけれど
真夏はこれが一番だ
テレビが壊れてクルマ故障
差し歯が取れて大失恋
すべてがまぼろしだったなら……
最後のひとくち頬張った
お金がどんどん飛んでゆく
増えない収入、悲しいね
靴もよく見りゃきたなくて
散髪代はカット中
人の群れへと入り込む
暑くて臭くてうるさくて
弱り目たたり目、死にたいめ
どうしてこんなに生き辛い
夢見るならば笑いたい
今日は会話もしていない
請求書の額、見たくない
あなたのLINEもなにもない
現実逃避のご馳走が
回転寿司から、かき氷
自宅に帰ってカギを挿す
一気に生活感、夢じゃない
『心の羅針盤』
進め 進め 舵を切れ
迷うことなく あの場所へ
示す 心の 羅針盤
困難突っ込み ど真ん中
痛い 辛い 息苦しい
それを求めて 生きるよう
朝が 昼が 宵闇が
焦らしあせらし 煽ってく
風が 雨が 嵐呼び
遭難 転覆 その寸前
頼る 心の 羅針盤
あなたを探して クルクルクル
夢だ 愛だ なんなんだ
救命ボートにも なりゃしねぇー
進め 進め 舵を切れ
なりたいわたしが いる場所へ
『またね』
そこが海底でも
砂漠や荒野
だったとしても
人は孤独じゃない
うんざりするほど
客が来るんだ
まるで死んだように
呼吸も止めて
ねむっていたい
朝がたたき起こす
みじめな昼に
絶望の夜
疲れ果てていても
トラブルがあり
処理に追われる
だけど、あなただけは
邪魔されたくて
待って……しまう
恋や愛も捨てて
未来も捨てて
1人でいいのに
すごく、希望が怖い
なのに言っちゃう
背中に……「またね」