『まだ続く物語』
ゴールを見るんだ 終わりを待つんだ
勉強だったら 大学までとか
子供の頃は そう思っていた
だけど世の中に 終わりは無かった
苦しいことほど 悲しいことほど
グラウンドみたいに 何周もまわる
「がんばれ!」なんて 声援が聴こえ
僕らは死ぬまで きっと走るんだ
倒れりゃ休める それも分かってる
でも出来ないんだ 怖いんだ、怖いんだ
自分を騙して 走り続ける
この物語の 栄光を目指して…
自分を信じて あげたいんだよ
この物語の 主人公として…
『渡り鳥』
世界でいちばん 不幸な人は?
「それはあなた」と わたしを指差す
理不尽だらけの この世の中を
生きてるみんなを 尊敬してます
ツバメやカッコウ 今年も来たの?
異常気象で 大変なのに
飛べないわたしは 自然で暮らせば
真っ先、殺され 死んでるでしょう
世界のだれもが うらやましくなる
恋して愛され 家族も増える
ふつうと言われる 未来が見えない
わたしの翼は 最初から無い
ツバメやカッコウ ヒーローみたいだ
嵐の今夜も 飛んでるだろうか
死にたくなるほど 怖いんだけど
バカなね⋯ヒーロー 待ってる気がする
『さらさら』
あんなに愛し合ったのに
僕らは別れてしまうのか
こんなに辛くて泣きじゃくり
それでも元は無理なのか
ちょっと相手を思いやり
考えすぎちゃう二人だった
わかっているんだ、くりかえす
似た者同士の恋の果て
さらさら さらさら
それはまるで 砂の雨
僕らを砂丘に 埋めようとする
さらさら さらさら
それは死んだ 白骨か
あなたを愛した 純白になる
激しい喧嘩もしていたね
信じているから言えたんだ
僕らは別れてしまうけど
恋した日々に悔いはない
さらさら さらさら
時の砂が 降ってくる
すべてが無かった 世界に変える
さらさら さらさら
それでもいつか 思うんだ
あなたを愛して しあわせだった…と
『これで最後』
「これで最後⋯」
何度 使っただろうか
一生じゃなくて
一日の最後
それぐらい言った
君との別れ
あの日も ぼくは呟いた
なのに未練たらしく
何度も連絡⋯
めちゃ嫌われた
「これで最後⋯」
けっして うそじゃないんだ
本気だから言う
人の心は
なんで変わるんだろう
「これが最後」
あれは 病院のベッド
強く覚悟をしてた
手を握りしめ
一日の最後
そう 願ってた
『君の名前を呼んだ日』
辞書に占い 画数調べて
侃々諤々 討論してた
いろんな思い 詰め込みたくて
気に入るだろうか 不安もあった
なんとか決めて 病院に行き
抱っこをしてさ つぶやいたんだ
君の名前を 初めて呼んだ
にこって笑って 見つめてくれた
晴れたその日は 記念日になった
これから何回 名前を呼ぶかな
君の名前を 呼んだ日からは
ずいぶん時間が 流れていった
今はその名を 時々忘れる
かなしい病気が わたしを泣かす
それでも君は 笑ってくれる
はじめてのように
名前を…おしえてくれる