「見つめられると」
貴方に見つめられると、心が苦しくなる。
私は貴方が思っているような人間じゃない。
私はそんな美しい人間じゃない。
けれど、貴方に見つめられると、嬉しくなる。
貴方が私を見ているという事実が、私を嬉しくする。
そして悲しくもするのだ。
複雑な2つの心は混ざりあって、ぐちゃぐちゃになって
醜いナニカへと変わる。
貴女に見つめられると、嬉しくなる。
僕の視線に気づいて、振り向く貴女の笑顔。
それが何より美しい。
けれど、貴女に見つめられると、恐くなる。
僕は貴女が思っているような、人間じゃない。
僕はそんな殊勝な人間じゃない。
そして、貴女のその。
複雑に絡み合った心が、僕を蝕んでいくように感じてしまう。
「胸が高鳴る」
ああ!今、スゴくドキドキしてる!
だって人生で初めて恋をしてるから!
あの子から目が離せなくて、
あの子のこと以外考えらんない!
こんなキモチ初めて!
きっと、世界一甘い食べ物よりも甘い恋。
一生味わっていたい、脳髄に響く甘味。
特別なオクスリよりも、効くおまじない。
「今日にさよなら」
私は気付かぬうちに知らない私になっている。
過去の私も、未来の私も、それは現在の私とは違う。
きっと誰かが知らない内にすり替えている。
さようなら、私。
貴方はいなくなるけれど、『私』はまだ残っている。
さようなら、今日。
決して戻ることのない、1つの人生。
「旅路の果てに」
あなたは何を求めますか?
この旅の終わり
その終着点に行き着いた時
あなたは何を想いますか?
旅の出来事を全て忘れて一般人に戻る?
確かにそれも一興ですね
ですが、あなたが望んでいるのは
永遠に終わらない物語では?
そうすればほら、あなたの愛しい人とも共に居られる。
物語の中ならあなたは永遠に生き続け、
永遠に主役でいられる。
ほらこの手を取って
まだ、旅は続くのですから
「海の底」
海の底には神様がいる。
ゆらゆら美しい、女神さまがいる。
でも安易に近づかないで。
女神さまは一人孤独な檻でお休み中。
彼女の眠りは邪魔出来ない。
おやすみ女神さま。また今度。
あなたは決して目覚めない。
あなたは決して再会出来ない。
貴女の愛した王子様。
泡沫となって消えていく。
また王子が来る未来まで、あなたは決して、
出られない。