6/28/2025, 11:52:52 AM
『夏の気配』
雨上がりの、むわっとした青空。
腕まくりした白いシャツ。
そして、
山とか、海とか、花火とか、
キミを誘うための口実ばかり探してるボク自身。
6/1/2025, 12:36:07 PM
『雨上がり』
高い高いお空から
ぽろり、ぽろりと降る雨を
神様の涙に例えたのは、
幼い日のあの子だったか。
あの子の言葉を借りるなら
神様は昨日、ずいぶんと辛かったのでしょう。
町がまるごとずぶ濡れに
なってしまうほど泣いているのだから。
だけど、私の短い腕じゃあ
お空の上の神様の
涙を拭くには足りないでしょう。
今朝の雨上がりの空を見て
私は心底ほっとした。
きっと、涙をふいてくれる誰かが
神様のそばにもいたんだろう、と。
5/31/2025, 1:02:00 PM
『勝ち負けなんて』
「どっちでもいいのよ」なんて、
すまし顔したあの日の私は
無理に背伸びした嘘つきだった。
今なら背伸びしなくても、
欲しいものに向かって
まっすぐ手を伸ばせるくらいには
大きくなった気がするのだ。
5/30/2025, 12:34:52 PM
『まだ続く物語』
もしも、あの時こうしていれば。
もしも、あの時ああしていれば。
数多の「もしも」を重ねたら、
物語は続く予感がしたのです。
その予感すらもまた
幾重にもなった「もしも」の
一つに過ぎないのでしょうけど。
少なくとも、
都合の良い「もしも」を重ねてしまうほどには
私はこの物語を愛しているのでしょう。
5/29/2025, 4:20:40 PM
『渡り鳥』
いつか厳しい冬がくると知っているのに
ここを故郷と呼んで離れがたいと思う私を、
キミは冒険を恐れる臆病者だと笑うだろうか。
理屈の通じぬ頑固者だと呆れるだろうか。
それとも。
今年もまたここに来てくれたキミならば、
ここを故郷だと呼んでくれるだろうか。
私と、同じように。