11/23/2025, 12:26:53 PM
『手放した時間』
それは、何かの気まぐれか。
四角い画面を手放して
キミと手をつなぐことにした。
そしたら、なぜか
キミとボクの間に流れ出る
時間がゆるんだ気がしたんだ。
今この時間は、手放したくないな、なんて…
そんなある日の昼下がり。
11/21/2025, 4:03:46 AM
『見えない未来へ』
もし、無人島に行くのなら、
何を持って行く?
もし、見えない未来へ歩み出すなら、
何を持って行く?
……え、
「どちらも本当は、行きたくない?」
それじゃあ、逆に。
私は、何があれば、
見えない未来へ
歩み出そうと思うのだろう?
11/18/2025, 12:54:16 PM
『記憶のランタン』
私の記憶のランタンは、もらい物。
「また明日」と
夕日を背景にブンブン振り回してた友の手とか。
「いい夢を」と
夜の布団の中で握ってくれた母の手とか。
「行ってこい」と
夜明け前に背中を押し出した父の手とか。
探り探りで歩む道を
やさしく照らす、私の記憶のランタンは、
そういうもので、作られておりますゆえ。
そして、いつか。
私の記憶のランタンが、
誰かの道を照らすランタンの
ほんのカケラにでもなればいい
……そう願うのは
私の傲慢なのかも、しれません。
11/17/2025, 1:03:50 PM
『冬へ』
「おはよう」と
今日の通学路で聞いた、
キミの声は、白かった。
そのくせ、
自転車のハンドルを握る
キミの指先は、真っ赤だった。
キミの白と赤がまぶしすぎるから、
私の手袋を貸してあげようかしら。
こんな口実をくれた冬へ、
ちょっと感謝をしながら。
11/14/2025, 1:05:02 PM
『ささやかな約束』
「今度はゆっくり、お茶しようね」
まるで定型文のように
キミと連絡するたび言い合っていた。
なかなか、実現できてはいないけど、
私はこれを、お決まりの挨拶にしたくはないの。
いつかキミと一緒に果たす、ささやかな約束であってほしいの。