空はこんなにも
空はこんなにも近かったんだと
空気が浅くなっていく中で私も薄くなっていく
空へ向かうのは案外簡単なものだった
この先には楽園があるのだろうか
それとも何も無いただの地なのか
誰も分からない
分からないから怖い
けれどいずれは誰もが向かう場所だと
私はあと少しで知ることになる
知らなければいけない
空はこんなにも近づきたくないものだと。
#31
子供の頃の夢
幼い頃から私には夢が沢山あった。
おはなやさんにけーきやさん、それとじゅういさん。
沢山の夢で溢れていたけれど、1番の夢は何かと幼い頃に聞かれると「はやくおとなになりたい!」と答えていた。
幼い頃は大人という存在、立場に憧れや希望を抱いていた。
大人になった今、夢は何かと問われ答えるのならば、私は一つだろう。
「子供の頃に戻りたい。」
夢と希望で溢れ、華やかだったあの頃に。
「子供の頃に戻りたい。」と。
#30
幸せとは
幸せとは、幸福ということだろうか。
幸福とは、幸せということだろうか。
では、逆に
不幸せとは、幸福ということだろうか。
幸福とは、不幸せということだろうか。
それはなんか違うと思うのか。
一つ一つの言葉には、人それぞれ認識の違いがある。
色んな人がいるのと一緒で、似ている言葉にも違いがある。
幸せとは、幸せとは。
幸せとは、貴方自身なのかもしれない。
#29
香水
香りがする水、液体を香水という。
フローラル、オリエンタル、ウッディ、マリン、シトラス。
どれも違う。
何の匂いなのだろうか、どこの香水なのだろうか。
香水の種類は様々。
でも、同じ香水を別の人がつけると原型はあるけれど、少し違った匂いになる。
その人が持つ特有の匂いと混ざることでそれが良くなったり悪くなったりする。
香水とは、纏うことで美しくもなるけれど。
香水もその人それぞれに着飾って欲しいと望んでいる。
お互いがお互いを望む。
自分の匂いにもうひとつの匂いを添えて。
#28
向かい合わせ
向かい合わせに座る。
少し鼓動が高くなる。
私の想いを送っているのに届いてくれない。
ただ一方通行のまま。
向かい合わせなのに見てもくれない。
向かい合わせなのに。
#27