香水
香りがする水、液体を香水という。
フローラル、オリエンタル、ウッディ、マリン、シトラス。
どれも違う。
何の匂いなのだろうか、どこの香水なのだろうか。
香水の種類は様々。
でも、同じ香水を別の人がつけると原型はあるけれど、少し違った匂いになる。
その人が持つ特有の匂いと混ざることでそれが良くなったり悪くなったりする。
香水とは、纏うことで美しくもなるけれど。
香水もその人それぞれに着飾って欲しいと望んでいる。
お互いがお互いを望む。
自分の匂いにもうひとつの匂いを添えて。
#28
向かい合わせ
向かい合わせに座る。
少し鼓動が高くなる。
私の想いを送っているのに届いてくれない。
ただ一方通行のまま。
向かい合わせなのに見てもくれない。
向かい合わせなのに。
#27
やるせない気持ち
この気持ちをどこにぶつければいいのだろうか。
空の瓶にでも吐いてやろうか。
毎朝つけるテレビには毎回嫌なニュースが流れる。
それに同情しているのか自分も辛くなる。
どこにぶつければいいのか。
知人に言っても空気を悪くしてしまう。
どこにぶつければいいのか。
結局、何を考えようがやるせない気持ちはどこにも言うことができないんじゃないか。
こういう考えを吐けないことがやるせない気持ちなんだろう。
#26
海へ
ワイヤレスイヤホンはあまり好きじゃない。
耳につけている感覚が鈍くなるから。
だから、有線のイヤホンを使う。
スマホを開き、プレイリストを再生する。
曲が流れ、リズムをとる。
砂が足裏に触れて少しくすぐったい。
向こうを見ると、遠くから人影が見えてこちらに向かってくる。
... すれ違う瞬間
耳元で囁いた 君の声
波音が掻き消したの …
耳元に息が少しかかって、ほんのり赤くなる。
波音で何を言ってるかは聞こえない。
でも、自分の腕を掴み上げてそれに連れて自分は立ち上がる。
今なんて言ったの?
ねぇお願いよ、もう一度聞かせて。ホントは知ってるけど。
「このまま行こう。海へ。」
#25
裏返し
ねぇ。それ裏返しだよ。
え?それ、裏返しじゃないの?
違うんだ。
じゃあそれはなんで、裏返しなの?
自分の中での流行…か。
珍しいね。
誰にでも裏はあるけれど、それを流行にしてるんだ。
君って面白いね。
私も裏返しにしようかな。
#24