滝谷(shui)

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6/9/2024, 1:16:22 PM

【朝日の温もり】

「わたし、これからどうしたらいいんだろう」

 深夜遅く、コントローラーを握りしめながら急にそんな事を思った。
 毎日やるのが当たり前だったオンラインゲーム。そのゲームが急に熱が抜け落ちたみたいに、つまらなくなってしまったのだ。

 情熱や、時間を大好きなものに注ぐのが素敵なことだと思っていたのに。
 スッと夢から醒めた熱は。わたしの身体から抜けてコントローラーと共に床へとポトン、と落ちたのだ。

 なんとも不思議な気分だった。
 そして淋しい気分だった。

 寂しいのではなく、淋しい。
 心に穴が開くって、こんな感じなんだ。

 これから、あまりに多くの時間が余る。なのに情熱が空っぽでわたしの体が震えてきた。
 何か代わりに温まる、情熱が沸るものが欲しくなる。

「あ」

 ボーッとしていたら、カーテンの向こうから微かな光が溢れ始めていた。
 窓を開けると風が頬を撫でる。見上げた先にある美しい薄紫の朝日があった。

「……あー……」

 なんかいいな。と思った。
 ただの朝日。でも、見たのはかなり久しぶり。スマホで写真を撮ると、明日も見てみたい気がした。
 これを見ながらコーヒー飲んでパンを齧ったら、なかなかオシャレじゃないかな。

 心の隅っこが満たされて。
 でもまだまだ空っぽのわたし。

「……まずは寝ようかな」

 明日も朝日を見るために。

 何年振りとなるだろう。わたしはその日、とても心地よく寝た。
 そして明日のために、引きこもりの部屋から抜け出すと、美味しいパンを買いに行こうと靴を磨くことにした。

6/2/2024, 11:45:19 PM

短歌ブーム中。

 【六月】

 静かだね 相合傘も 紫陽花も

 戦場に ひまわり咲く日 夢見てる



 【正直】

「わたし平気よ。戦争へ行くことなんて、ちっとも怖くないわ」

 そう上手に笑った彼女だが、手だけは正直に震えていた。
 僕の傷だらけな手で握りしめると、彼女のあまりに小さな手から、トクントクンと小さな命の音が伝わってくる。その消えそうな温もりに、目頭が熱くなるのを感じていた。

6/2/2024, 7:36:44 AM

短歌ブームが来ています(言い訳)。

【梅雨】

好きな子と 帰るチャンスの 喜雨来たる


【試練】

台風で 滅べばいいのに テストの日


【休日】

おはようと お日様に笑う 若葉晴れ

5/29/2024, 8:15:43 PM

短歌。

【雨】

長雨に ため息をつく 孫の恋


【ごめんね】

素直には なれぬ代わりの 詫びメロン


【飴】

孫いわく バズり味なる いちご飴

5/28/2024, 6:31:18 AM

【天国と地獄】

 こんなに貴方が近いのに、手を繋ごうよの一言が、言えずに私は怯えているの。

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