透明が好きだ。
美しい世界を映し出し、
どんな色も取り入れることのできる。
側にいるのに
いないようで。
側にいないのに
いるような。
そんな感じがする。
透明はよく
"色”の種類に入れられないけれど、
私は、透明も
一つの色だと思う。
透明ほど不思議で溢れてる色は無いと思う。
本を見て回るときの
あのワクワク感。
本を手に取るときの
あの緊張感。
新しい世界へ踏み込むときの
あの高揚感。
そして、
本を読み終わったときの
あの達成感や余韻。
この一つ一つの感情や感覚が
たまらなく好きだ。
新しい本に出会う度、
新しい世界を見て回れる。
読む旅をしているような、
そんな楽しさが心をあたためる。
あぁ、やっぱり
私は本が好きだ。
私にとって、空はいつも美しかった。
空を見るだけで
まるで
ずっと見たかった映画を観ているような、
大好きな人と一緒にいられてるような、
いいことばかりが起きているときのような、
そんな、言葉で表すのは難しいくらい、
いろんな感情が忙しくまわる。
まわりすぎて、もはや静かになるくらい。
嫌なことがあった今日。
どうしようもなくて、
ひとりで泣いてた。
慰めてくれる人も、
そばにいてくれる人も、
誰もいなくて。
私は何もなくて、
何もできないのだと、
改めて感じた。
涙で濡れた瞼を開き、
窓から空を見る。
あぁ、やっぱり
そらってきれいだ。
透明な水が滴る様子をじっと見る。
透明は不思議な色だ。
そこにあるはずなのにないようで、
いないと思えばいつの間にか側にいて、
どんな色も包んでくれる。
そして、
美しくて
儚い色。
透明で染まった水をじっと見る。
『飽きないなぁ…』
「理想?
理想なんてそりゃたくさんあるわ。
お金持ちとか?
とっっってもかっこよくて、
王子様みたいな人、とか?
まぁとにかくいっぱいあるわよ。
でもね、理想はたくさんあるのに、
なぜか、あなたがいいと思うのよ。
もし、私の目の前に理想通りの人がいたとしても、
私は尊敬の目で見るわ。
決して恋なんてしない。
だってあなたがいるもの。
まぁ確かにあなたは
寝相が悪いし、
洗濯物畳むの下手だし、
運動も苦手だし…
でもね、
私はあなたのそういうところも含めて、
全部、ものすごーく好きなのよ。
だって、あなたもちゃんと愛してくれるでしょう?」