私にとって、色は命だ。
色に溢れた、カラフルなこの世界を眺めることは
私の生きがいだ。
私は、
このカラフルな風景を
愛している。
だからどうか、
カラフルな世界だということだけは
変わらないでいてほしい。
たとえ間違いだったとしても
この道を選んだのに後悔はない。
誰に何を言われようとも
僕は、僕の選んだ道を信じる。
…そうだった、はず、なのになぁ。
「愛おしき貴方へ
たとえ、間違いだったとしてもーー。」
あ、
ほろほろと流れる雫。
私はその雫をじっと見る。
空の色を反射してちょっと青色。
大きくもなく、小さくもない。
手にぽたぽたと落ちる雫。
ああ、でも何故だろうか?
なんだか、あったかく感じる。
少しその雫を舐めてみたら、
ちょっと、しょっぱくて
あまかった。
『はぁ…』
「どうなさいました?」
『いんや?
人間にとって私は都合のいい相手なんだと思って』
「まぁ、そうでしょうね。
貴方様を見ることなんてできないんですから」
『だよねぇ…
見えてないと都合よくするのが人間だよね』
「ええ、そうですね」
「○○様‼︎
また新しい願いです‼︎」
『またかぁ…
人間はどうして叶わないと思ってる願いを私に願うんだろうね』
「さぁ…?
星占いいいときだけ信じる、みたいな感じなのでしょうか」
『あはは、確かにそうかもね。
僕は星みたいなものだからね』
「…?どういうことでしょうか?」
『人間相手じゃ届きやしない場所にいるってことさ』
「確かにそうですね。
…誰も、貴方様には敵わない」
「…貴方様は誰の願いも叶えない。
だけどしっかり願いの内容は確認しますよね。
何故ですか?」
『気になるからね』
「はぁ…
では、何故願いを叶えないのですか?」
『んー…
私にばかり頼っていたら何もできなくなってしまうだろ?
…だから私が叶えてあげたいと思っても絶対叶えないようにしているんだよ』
「…叶えたいと思った願いがあったのですか?」
『君はやっぱり賢いね。
特別に教えてあげようか』
「え…いいのですか?」
『いいんだよ。
そんなこと聞いてくる子、初めてで嬉しいよ。
…ほら、これだよ。
覗いてご覧。』
「…はい」
『神様へ
辺りはピンクや白や赤や
美しさを身体全身で表している花々。
どこもかしこも花に囲まれ
そのどれもが風に揺られ踊っている。
その様子は一つ一つの花びらに
生命が宿っているようで。
太陽の光がそれらをうつし
さらに眩く、
光溢れんばかりに輝いている。
驚くのは、
花々は一輪一輪全てが目立ち、
花が輝き、踊っているようで。
咲き乱れているからこそ気づく美しさが
きっと、あるんだと知った。
今日も花たちは
咲き乱れ、
輝き、
舞い踊っているのだろうか。
この景色こそ
『春爛漫』