lily

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1/21/2024, 12:29:03 PM

※再投稿ですが、なんとなくテーマが似ているので、投稿させて頂きます。

「見ろよあれ‼︎」
「凄い‼︎」
ヘッドホンをしていても騒がしく聞こえる近所の人達の声。
何事かと思ってヘッドホンを外し、2階の窓から覗いてみる。
子供から年寄りまで、みんな上を見ていた。
なんとなくそれにつられて、自分も空を眺めてみた。

空には今までみたことがないくらい沢山の星たちがキラキラと輝いていた。
『綺麗…』
あまりの輝きに、あまりの美しさに、
思わず、独り言がもれる。

ふと、急に静かになった。
どうしたんだろうと思いまた下を覗くと
みんな、何かをお祈りしていた。
祈りなのか、願いなのか、望みなのかはわからない。
でも、確かにこんな奇跡が起こったのだから、
祈りも願いも望みも、全部叶っちゃいそうだ。

自分も外に出て、
星空の下で、
星たちに、感謝を込めて。

1/20/2024, 11:09:05 AM

「…いいの?、本当に」
こっちを見てくる目はとても真っ直ぐなのに、
声だけが不安に呑まれている。
『…うん』
「…そっかぁ」
ふわりと笑う。
僕はそんな風に綺麗に笑えないから、
静かに海を見る。
そして、『それ』を海へ投げる。
ザポンという音を立て、そして沈んでいく。
海の底へ沈んで往く大切なもの。
いや、海が包み込んでいるのかもしれない。
でも、それでも、
美しいことには変わりなくて。
クラゲの死のように、
消えてしまえばいいと思う。




『それ』とは何なのか、
海の底のみぞ知る。

1/13/2024, 3:05:29 PM


「そんなものなれる訳ないでしょ?!」
画家になりたい。
この台詞を言ったのは何度目か。
母はとうとう我慢ならず怒鳴ってしまった。
「だいたいアンタは勉強も出来てないし」
ほら、始まった。
「今年はもう受験があるのよ?!」
「…もう、どうして聞いてくれないの?!」
あなたのために言っているのに
とでも言いたげな目。
そして顔を覆って母は泣いてしまった。
父はそんな母の傍にいる。
「いつまでそんな夢ばかり見ているんだ」
「画家になんて、そんな簡単になれるものではないだろう」
知ってる。
「普通に働いた方がいいに決まっている」
「将来のことも考えて」
…全部わかってる。
彼らが私のことを思ってくれてることも。
画家になれるかなんてどうか分からないことも。
この世界が優しくないことも。
全部全部、理解した上で言っている。
最初はただの憧れだった。
だけど、世界の広さを知っていく度に、
なりたいと思う気持ちが強くなった。
誰かの世界を彩らせたい、と思った。
きっと、伝わらないかもしれない。
言葉というのは無責任だから。
でも、今伝える手段は、
言葉しかない。


『責任もお金も、全部私がどうにかする』
『2人に負担はかけさせない』
『…もちろん、画家には簡単になれないってわかってる』
『でも、諦めたくないの』

…別に、2人のことは嫌いじゃない。
でも、さっきの発言は、
夢を追っている人たちに対して失礼だ。
彼らが反対する理由は分かる。
でも、

いいじゃないか、夢を見ていたって。







※データ引き継ぐの忘れて今まっさらな状態で始めてます。
もとの名前もlilyだったので、ご存知の方もいるかもしれません。
でも書いていた文はこっちにコピーされてあるやつがあるので、再投稿することもあると思われます。
(書いている内容がテーマとかなり違えばそれは再投稿のものです)

今年もよろしくお願いします。