「そっと包み込んで」
可愛くない私。
面白くない私。
愛する事をしたことがない私。
愛されたことがない私。
笑顔が不自然な私。
すぐに弱音を吐く私。
すぐに泣く私。
自分の気持ちに素直にれない私。
大切に出来ない私。
友達の居ない私。
料理も家事も何もうまく出来ない私。
「愛してる」なんて恥ずかしくて言えない私。
愛してるって言われたって信じられない私。
一人の夜に慣れてしまった私。
一人になりたい私。
貴方が誰かといることを許せない私。
本を読むのが好きな私。
部屋の外が怖くて外に出られない私。
ゲームが好きな私。
恋愛漫画が好きで現実が嫌いな私。
消えてしまいたいと願う私。
本当の私になれない私。
偽ることが何よりも楽な私。
大好きな貴方。
格好いい貴方。
優しい貴方。
愛することが得意な貴方。
愛され続けてきた貴方。
笑顔が素敵な貴方。
弱音を吐かず努力する貴方。
笑って踏ん張る貴方。
自分の気持ちを伝えられる貴方。
大切にできる貴方。
いつも友達に囲まれている貴方。
料理も掃除も上手な貴方。
「愛してる」って心から伝えてくれる貴方。
私がもし愛してるって言ったらとても喜ぶ貴方。
一人が嫌いな貴方。
一人の夜が何よりも嫌いな貴方。
私を信じてくれる貴方。
遊ぶ事が好きな貴方。
外が好きな貴方。
漫画よりも私と居る方が好きな貴方。
消えないで欲しいと言う貴方。
偽らず笑ってくれる貴方。
ありのままの私が好きだと言ってくれた貴方。
貴方に愛してもらえなくてもいい。
愛して欲しいけど何よりも私の前から消えないで
欲しいと願ってる。
私が嫌いになってもいい。
だから一度だけ私の事をそっと抱き締めて欲しい。
駄目な事ばっかの私だけどそっと包み込んで欲しい。
お願いだからあの世に行っても笑い会える関係で
いて欲しい。
貴方を私に愛させて。
愛しの貴方。
どうか私の側に居て。
こんな私だけど。
どうか、どうか抱き締めて。
いつまでも私を抱き締めていて。
「昨日と違う私」
昔に戻りたい?
今がいや?
そんなことはないわ。
今が楽しくてたまらない。
あの頃の楽しくてたまらなかった日々はもう戻った来ないけど今は今の楽しさがある。
昔には戻れない。
でも今があるなら昔になんて戻らなくてもいいわ。
幼馴染と馬鹿なことをして女を捨てて馬鹿みたい笑ったあの頃は私にとってはかけがえのない大切にしたいもので、絶体に忘れられない記憶。
あの頃とはなにもかもが違う今。
身長も、気になる人も、関係性も、好きなものも、
考え方も、やりたいことも、大切にしたい物も
なにもかもが違う今は今にしかなくて。
未来が来たらまた変わってしまうもので、
昨日にももう帰られなくて、苦しくても来た道を戻れなくて辛くて仕方がなくて苦しいけど
私よりも辛い人が居て。
だから私は誰にも助けを求めることが出来なくて。
貴方が居てくれたら話を聞いてくれて、馬鹿みたいに笑わせようとしてきてすぐに楽しくなくなった。
心が暖かくなって辛かった気持ちなんて溶けて消えて
またすぐに笑えるようになった。
...どんなに望んだってあの頃のまま、また戻ること何て出来ないし、あの頃のまま成長するなんて難しかった。
だから後悔なんてしてない。
会おうと思えば貴方には会えるし別にいいんだけど。
時間と勇気と貴方に見せる顔がない。
だから中々会いに行けないな。
でも、もう少しで貴方から連絡が来る。かもしれないって思ってる。
私からは送れないかな。
緊張しちゃうし。
だから待ってるからね。
ずっと一緒じゃなくても良いから少しお話をしよう。
今まであったことや経験したこと、今までの分
いっぱいお話をしよう。
それまで。
また会える日まで。
ずっと待ってる(笑)
いつまでも。
私が我慢できなくなるまで。
待ってるからね。
by貴方の親友。
「空に溶ける」
溶けたおいしそうなチョコレート。
暖かい愛情のこもったミルク。
ミルクを混ぜた濁った紅茶。
幸せを詰め込んだ暖かいお家。
大切で唯一で大好きな暖かいお父さんお母さん。
思いっきり甘えられるお姉ちゃんお兄ちゃん。
...消えちゃうぐらい幻みたいな私の夢。
いや。私の大切な記憶。
世間が言う大人ってものになって、ちょっと経った。
高校を卒業して、必死に勉強して大学に受験した。
なんとか受かってバイトをしながら通う日々。
一人きりになって、未来が見えなくて辛くて苦しくて真っ暗だった私の世界から私を救いだしてくれた
施設のお母さん。
お金も出してくれて誰よりも大学受験を応援してくれた。
今だって楽しくて大切な日々。
でもお布団に入って、暖かい気持ちになったら
嫌でも思い出しちゃう。
怖くて眠れなくてお姉ちゃんの部屋に忍びこんだ日。
お母さんにホットミルクを入れてもらった夜。
お父さんのいびきがうるさくて腹が立った日。
お兄ちゃんが遅くまで勉強していて、お母さんが
心配していた夜。
思い出したら切りがない記憶に、止まらない涙に
溺れて消えたくなる。
そんな私を扉の前で心配そうに立ち止まる今の
お母さん。
心配なんてかけたくないのに。
覚えていたい記憶なのに。
大好きな人達だったのに。
どうして消えてしまったのか。
どうして私を置いていったのか。
分からないことばっかりなのに、私にとっては大切で忘れてしまいたい記憶で。
どうしたら良いのか分からないことばっかりで。
空を見たら、思い出す。
あの楽しい日々を覚えていたくなる。
溶けて消えてしまいたくなる。
ずっとじゃなくても良いから少し。少しだけ
空へ溶けてしまってもいいのかな?
どんなに悩んでいても答えはでないから。
それならばいつか消えるその日まで大切にしたいものを覚えていたい。
どうせあの世に行ったら忘れてしまうなら。
今だけでも覚えていさせて。
暖かい日差しは、木漏れ日は私の心を溶かすのに
ぴったりだ。
そう。思いませんか?
「まって」
ねぇ待ってよ。
ねぇ待ってよ。
私を一人にしないで。
ずっと一緒って約束、したのに。
なんでみんな消えちゃうの?
私を置いていかないで。
よく夢をみるよ。
いい夢。あの頃の、皆が居たあの頃の夢。
でも悪い夢もいっぱい見るんだ。
皆が私に背を向けて歩いて行くの。
私は後をついて行こうとするんだけど、
お前は来るなって怒られちゃう。
皆がまだ私の側に居てくれたら
愛せる人が出来ているかな?
私にとっても新しい家族が出来たのかな?
同じ施設で育った兄弟なのに。
今は一人になっちゃった。
お兄ちゃんもお姉ちゃんもだぁい好きな皆が
消えちゃうの辛くて思い出すと心からギシギシって音がするの。
どこにも行って欲しくなかった。
ずっっと側に居て欲しかった。
まだ待ってて欲しかった。
分かってるよ。
もう合えないんだって分かってる。
あの日施設に知らない人が来て、お兄ちゃんが私を押し入れに押し込んだ。
お姉ちゃんは私に絶体喋っちゃ駄目だって言うの。
かくれんぼだと思って楽しかった。
でも皆すぐに見つかっちゃたのかな。
みんなの悲鳴が聞こえて来たの。
そんな中、おかしな事があったの。
押し入れの隙間から暖かいねっとりした液体が入ってきたの。
誰か怪我をしちゃったのかな?
鉄臭い匂いがしたんだ。
皆が死んじゃったんだって、分かったのは何年もたって中学三年生になったときだよ。
大きくなって受け止められるようになるまで皆黙ってたんだって。
あの日皆に一緒に隠れようって言ってたら。
あの頃の私がもうちょっとお姉さんで、電話をかけられたら。
後悔なんて飽きるほどしたんだ。
私を置いていった皆は幸せだったのか。
置いていかれた私が幸せになることが出来るのか。
なっていいのか。
...分かってる。
皆はそんなに私を恨んでないって。
だからまだ私はこの世に居られるの。
暗い世界だけど皆が生きたかった世界だって思ったらまだ明るく見えるんだ。
でも今だけあの頃に戻れるなら、一言我が儘を言ってやりたいな。
置いていかないでって。
一人にしないでって。
待ってよぉって。
言いたかったなぁ。
逢いたいっていいたいなぁ。
「手放す勇気」
幸せを手放す勇気はある?
命を手放す勇気はある?
未来を手放す勇気はある?
怖いな。苦しいな。
でも貴方がいない世界を生きる勇気はない。
貴方を手放す勇気はない。
だから私は貴方に託して消えるんだ。
私の名前は親が私を想ってつけてくれた。
だから私も自分の子にぐらい名前をつけてあげたかった。でももう無理なのね。
名前がないからって愛されていなかったなんて勘違いしないように、ちゃんとちゃんとあの娘を見守っていてね。
先に行くわ。
愛しの貴方。
私とあの人の可愛い貴方。
妻が消えてからどれほどたったのか。
...いや、消えたんじゃない。殺したんだ。
他でもない僕が。
僕が守りたいと想うのは貴方だけなのに。
貴方を守れなかった。
逆に僕は助けられた。
悔しい。申し訳ない。
でも、その前に僕は僕が憎くて仕方ない。
酷い話しじゃないか?
僕は僕を責める事は出来るのに、彼女は僕を責める事は出来ない。こんな世界はおかしいのかな。
でも僕はこの世界が大好きだ。
君と僕が出会って、未来を誓い合って。
子宝に恵まれて。僕はあの娘と共にまだ生きられている。
貴方の元に逝きたいって何度も願った。
でもその度に踏みとどまれたのは、間違えなくあの娘のおかげ。
あの娘に名前をつけたいって何度も言っていた貴方は名前をつけられなくて、申し訳なくなってしまっているのかもしれない。
だけど君の分僕は愛を込めて名前をつけた。
でも僕じゃ君みたいにうまく子育てする事も出来ないし僕じゃ君の分まで愛せない。
でも、僕は僕なりに頑張っているつもり。
あぁそうだ名前を決めたんだ。
君が気に入ってくれるのか心配だけど何度も何度も考えたんだ。
「笑紡」えな
僕なりに頑張ったつもりなんだけど。
微妙だったかな。
一応由来もあるんだけど
ずっと笑顔で居られるようにって。
自分の命を回りの命を紡いで居られるようにって。
幸せを紡ぐ言葉を紡げるようにって。
どうかな?
君がどんな名前をつけようとしたいたのかは分からないけど僕はこの名前がこの娘、笑紡にぴったりだと想ったんだ。
君が僕をかばって事故にあった時は本当に酷い気分だった。
でも、君が産んだ笑紡を一目見たとき少し心が軽くなったんだ。
もしかしたら君は僕に出会わなければもっと長生き出来たのかもね。
でも僕はきっと君に、笑紡に出会わなかった世界で
生きる勇気はないと思う。
君に合えてよかった。
気長に待っていて。
いつかは必ず君に会いに行くから。
その時は君の暖かい手で僕を抱き締めて。
そのときまで、バイバイ。
僕の最愛の彼女さん。