ジャングルジム
公園に一つ、ジャングルジムがあった。
私が五歳の頃、
近所に住む男の子と仲が良く、
この公園で沢山遊んだ。
その男の子は年が一つ上だった。
よく、「すごいだろ〜!」と、
ジャングルジムの上に立ち、ニカッと笑っていた。
私は、
ジャングルジムの上に両手を離して座るのが限界だった。
だから
いいな、といつもその様子を見つめていた。
何度、ごっこ遊びをしただろうか。
何度ジャングルジムの上で
おしゃべりして笑いあっただろうか。
今は男の子の声も顔も思い出せない。
名前さえもぼんやりとしか思い出せない。
いつの間にか顔を合わせることがなくなった。
元気に、しているのだろうか。
声が聞こえる
本を開くと声がする。
静かな部屋で私一人。
私も、もちろん声を出していない。
でも、文字から声がする。
だんだん、声だけだったものが
人も物も形がはっきりして、
自分の解釈でできた自分だけのその本の世界が見える。
文字は話さない。
でも、話せるのだ。
この本からは女の人の声がした。
この本は、男の人。
これは、子供の声?
あ、おじいさん、おばあさんの声もする。
本でなくても良い。
取扱説明書や、食べ物の表示、スプレー缶の注意書き。
どんな文字からも声がする。
私が今うっている文字からは、前うった文字からは、
どんな声がする?
きっと、人によって変わるのだろう。
さあ、今日も文字を読もう。
声を聞こう。
自分だけの世界に入って、
自分だけの世界を感じよう。
秋恋
秋恋、秋の季節における恋のこと。
秋の恋は長続きしやすい……とは言うけれども、
やはり恋とは無縁な今日このごろ。
だから、秋の好きなところを考えてみることにした。
暑すぎない、寒すぎない。
紅葉が綺麗。
お月見。(だんご♪)
食べ物が美味しい。
(年中美味しいけど秋ならではもある)
秋桜が綺麗。
金木犀の季節。(香りが好き。見た目もかわいい)
というか、お花含め植物が綺麗。
読書の秋!(年中読む)
食欲の秋!(年中たべる)
どう見ても自分が好きなことリストである。
秋にしたいことリストでもいいかもしれない。
秋にしたいことリスト!
・ 食べ物を堪能する。
・風景を楽しむ。
・本を読む。
・紅葉の栞を作るため、紅葉を拾いに行く。
(運動不足解消も兼ねて)
秋もこれから。
今年も全力で楽しもうと思う。
大事にしたい
大事にしたいから、大事にしている。
……つもり。
ちゃんと、全部愛して、大事にして、優しくしたい。
そうありたい。
でも、ふとした瞬間に心の中が冷たくなってる自分が
どうして、
どうして全てを大事にできると思ったのだろう。
それでも、大事にしたいから。
できるだけのあたたかみを持って、
そっと、丁寧に扱って、
日々を過ごしていく。
時間よ止まれ
全てが止まる。
止めた本人も止まる。
全ての流れが止まる。
誰も動かない。思考も止まったまま。
誰も、時間を進める事が出来ない。
生きているのに、永遠に死んでるも同じ。
だって、心臓も脳も止まっていて
永遠にその状態ということだから。
幸せを感じることも、不幸せを感じることもない。
誰も、時間が止まったことに何も思わない。
時間よ止まれ。
さあ、何もない世界の幕開けだ。