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8/19/2024, 10:32:40 AM

空模様
その日の朝の空模様は良かった。
雲一つ無い快晴。
天気予報も晴れ。
天気の心配はなし!と思っていたら、
祖父に
「雨が降るから折りたたみ傘を持っておいたほうがいいよ」
と言われた。
雨なんか降るわけがないと思ったが、
昔から祖父が言うことはきいて損はなかった。
雨が降らなくても、
折りたたみ傘だから大して邪魔にならない。
私はカバンに傘を入れた。

夕方、突然空模様が悪くなり雨が降り始めた。
私はハッとし、傘を出してさした。
おかげで、濡れずにすんだ。
やはり、祖父の言葉は聞いて損はない。
そこでふと
あんなに良い空模様で、
天気予報も晴れだったのに何故わかったのだろう?
と、疑問が浮かんだ。
けれど、どれだけ質問しても
「見ればわかる
○○も毎日注意深く見ていればわかるようになる」
としか、かえってこなかった。
それから、家を出るときは空模様を注意深く見る。
でも、
祖父ほど当たるわけではないのは経験の差、だろうか?

8/18/2024, 11:55:13 AM


小学校くらいまで
鏡の向こうにも本当に別世界があるのではないかって
真面目に考えていた。
実際、そんな物語もある。
物語は物語だ、
鏡は光の反射を利用した道具だと大人は言った。
でも、私にはそうわかっていても
どこかで別世界の存在を信じていた。
まず、頭をぶつけてみた。
……痛かった。
指で触れてみた。
指紋がたくさんついて拭かなきゃいけなくなった。
鏡の前でジャンプしたり、鏡を覗き込んだ。
鏡に映った私もジャンプをし、覗き込んだ。
私は思いついた。
鏡を二つ持って来て、あわせ鏡にした。
どこまでも、どこまでも続く通路みたいになった。
私は覗き込んだ。
沢山の私がいた。
でも、私は鏡の中に入ることも、
たくさんの私一人一人の違いを見つけることもできなかった。
しばらくすると、諦めた。
今は実際に実行しようとしたり、
信じ込むことはしなくなった。
それでも完全に否定することはできず、心の何処かでもしかしたらと思うことはある。

8/17/2024, 11:45:12 AM

いつまでも捨てられないもの
小さい頃からあるお気に入りのたこのぬいぐるみ。
年々増えてゆく心のこもった手紙。
かなりブレている子供の頃はしゃいで撮った写真。
物語を覚えてしまうほど繰り返し繰り返し読んだ絵本。
海岸にて夢中で拾い集めた貝殻。
公園で
まだ小学生にもなっていないくらいの女の子にもらった、
シロツメクサの指輪を押し花にした栞。
私には珍しくてずっと欲しいと思っていた
透き通ったビー玉。
公園で母に我儘を言ってまで長い時間探した記憶のある
四つ葉のクローバー。
小学校低学年くらいのとき、暇だと言ったらくれた
リリアンの道具。
頭痛に弱く、
病気の時に頭が痛いと泣きじゃくっていた私に
魔法の道具と渡されたかわいいポーチ。
どれもこれも思い出がギュッと詰まった大切なもの。
だから私はいつまでも捨てられない。

8/16/2024, 11:39:12 AM

誇らしさ
褒めてくれるラインは自分でなんとなくわかっていて、
そのラインは手に届かないと思う程高かった。
だから、それを達成できて喜んでいるときに
褒められると本当に嬉しいし、自分に誇らしさを感じる。
普段は特別なにを考えるわけでもなくしていた行動が
ふとしたときに喜んでもらえたり、
褒められると誇らしさを感じる。
影でそっとサポートしたり、
影でずっと努力したり、
そんな見えにくい部分をしっかり見ていてくれて
それを認めてもらえたとき誇らしさを感じる。

けれど、全て他人からの評価を受けてできる誇らしさで。
自分自身で誇れるのは何だろう?
なにか小さなことでも自分一人で成し遂げたとき?
前よりも上手くいったとき?
うーん……そうだ、負けず嫌い。
これは自分の好きな部分であり、誇れる部分。
逆に私という人間の人生からこれを取ると
やる気のない、何かしたいこともない、
そもそも動くのも考えるのも嫌というような
今よりもひどいめんどくさがり人間になってしまう。
だからこそ、誇れる。
これのお陰で積み重ねることができてる。

8/15/2024, 12:03:54 PM

夜の海
海の近くに泊まった事がある。
旅行でテンションが上がっているのか、
中々眠れなかった。
ザーッ、もしくはゴーッ、
みたいな波の音がずっとしていた。
確か、私が雨女だからか
せっかくの旅行は雨だった。
風もあった。
だから波の音がずっと響いていた。
少し恐怖を感じるほど波の音がしていた。
部屋が静かな分、音が大きく感じたのかもしれない。
けれど、だんだん慣れてくると落ち着くBGMになった。
結局、朝まで波の音を聞いていた。

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