神様が舞い降りてきて、こう言った。
「もう、いいんじゃない?
あんな奴のために悩むなんてお前も馬鹿だなあ、
悪口を言うことが趣味なんだよ。
だから、お前は言わせておけばいい。
どうせ、すぐ飽きる。」
ずっと、絶望しか感じなかった。
心当たりのない陰口。
偶然かわざとかわからない一人ぼっち。
そんな生活が続いていたのに、
誰か……本当に神様かもしれないがそう言ったとき
何かが切れて
毎日が楽しくなった。
神様の予言通りそうなった。
一年間のことが何もなかったかのように
すべてが元通り、それよりも良くなった。
神様がいなければ、私、何をしていたのだろう?
思い返せば、いつだってなにかに守られていた気がする。
からかってきたあいつも、パシリとして私を使っていたあいつも、突然やめた。
嫌な夢を見たから、正夢にならないよう対策を立てて一日を過ごすと、対策していなければ、夢を見ていなければ、
嫌な夢が現実になっていたかもしれないなんてこともあった。
さらに私はよく、不注意なのか(何もなくても)転ぶ、(目の前に電柱があっても)ぶつかる、落ちる(深い溝や階段)。
……運が悪ければ死んでいたこともある。
でも、私は今日も元気に生きている。
だから、どこかには神様がいる。
見えなくても、存在しないかもしれなくても、私は信じる。
いつも、お世話になってます。
誰かのためになるならば
私には何かをできるほどの力なんてない。
ただの人間だ。
でも、それでも私の生きる毎日が
私のひと頑張り、一つの行動が
誰かのためになることを願ってる。
特別な何かなんてなにもない。
でも、私にできることならば手伝いたい。
いつも、助けられているから。
鳥かご
鳥が、かごの中にいる。
一面金網に囲まれて
まるで檻の中にいるようだ。
とても狭くて自由がない。
きっと外に出て飛ぶことを願うだろう。
ある日、かごが何かの間違いで空いた。
鳥は自由になれることを喜び飛んでいった。
けれど外には天敵がいて、
一瞬にして喰われてしまった。
かごの中とかごの外、どちらがいいのだろう?
友情
よく話すわけでもない。
一緒に遊んだこともほとんどない。
性格が似てるわけでも、趣味が同じわけでもない。
連絡もほとんど取らない。
一緒にいるわけでも行動してるわけでもない。
それでも気付けば隣にいるし、話せば楽しい。
困ったときは互いに助け合えるし、
落ち込んでいるときには気を使ったり、気を使われたり。
そのままの自分をたまには出すこともできる。
ちょうどいい距離感。
辛くないが、寂しくもない。
見る人によれば、友達には見えないのかもしれない。
けれども、確かにそこには友情があった。
花咲いて
小学校の頃の話。
授業で花を育てていた。
その年はいつもより暑い年で、
土日で休んだ後、月曜日見ると
しおれていて、茶色っぽくなっていた。
どうせもう駄目と世話をやめた人もいた。
でも私はまだ、助かるかもしれないと
必死で水をあげたり何度も見に行ったりした。
(まだ、枯れないで、花咲いて)
そう思った。
その結果、多分駄目と言われていた花が咲いた。
とても綺麗だった。
頑張ったね、
私は花にそう言った。
花が咲いただけなのに
心が暖かくなった気がした。