遠い日の記憶
これはどこかに家族でおでかけしていた日のこと。
確か私は小学生になるかならないかだった。
元より私は方向音痴で(今も)
はぐれないためにしっかりと後ろをついて行っていた。
「見てみて〜お馬さんだよ〜」
とても見たかった。
でも、人が多くて見にくい。
私はそのうちきょろきょろと周りを見た。
皆んなはお馬さんを見てるから少しなら大丈夫と思って。
私の目に飛び込んできたのは
お土産屋さんのペロペロキャンディー。
食べたことがないな。食べてみたいな。
普通の飴よりも大きい!
気になる。……でも、きっと駄目だろう。
私は目線を戻した。
いなかった。すぐ隣にいたはずの家族が。
「あれっ、え?
おかあ、さん?おとーさん?」
はぐれた。この事実だけは理解した。
でも、案内図なんてわからなかったし、
誰かに助けを求めるのも苦手。
とりあえず適当に歩いた。
だんだん怖くなってきて、一生会えない気がして、
走り出した。
泣きそうだった。なんとか途中までこらえた。
でも、方向音痴の勘が当たるわけが無かった。
誰か、助けて欲しかった。
早く、家族の元へ戻りたかった。
怖い。一人じゃ何もできないから怖い。
私はついに泣き出した。それも大声で。
当時、私は大声でしか泣けなかった。
そして、その声は家族の元へ届き、無事合流。
あの迷子になった時の恐怖は今でも覚えてる。
空を見上げて心に浮かんだこと
今日も雲がある。黒い雲。
やはり、梅雨だからだろうか。
今は少し、青い空が恋しい。
終わりにしよう
あれが心配、これが心配。
これに悩んでる。
これも不安あれも不安。
恐怖心で渦巻く心。
人生、大なり小なり何かは起こる物。
心配し過ぎは良くないけれど、それでも。
答えのつかない自問自答を繰り返す。
寝て朝起きたらまた、ぐるぐる思考が回る。
どうせ答えが出ないのなら、
どうせ疲れてしまうだけなら、
「もう、終わりにしようよ。」
ポツリ。
一言が発され、やがて空気に溶けていった部屋には
頭を抱えて座り込んだ人影があった。
手を取り合って
「いつもありがとう。」
いつも君はニコッと嬉しそうに笑う。
それを聞いて
いつも助けてもらっているのは私だよ、そう思う。
いつも、いつも、
言葉に出来ないほど助けてもらっているから、
だから私は少ししか、
小さなことしか返せないかもしれないけど
君が困っていたら助けたい。
手を取り合って生きたいから。
優越感、劣等感
私は劣等感を糧にして努力する。
「私は駄目な奴だよ。」
自分に今日も強く言う。
実際、あっているから嘘はない。
上には上がいて、下には下がいる。
どの面から見てもそう言える。
それならば下を見て一人優越感に浸るより
上を見て劣等感を抱きながらも自分を高めたほうが
少しは素敵だ。
そう思ったから
今日も私は劣等感を糧にして努力する。
優越感に浸りたくなる自分をおさえつけて。
そう、自分は駄目な奴。あの時も言われたじゃないか。
そんな呪いを自分にかけて。