この道の先に
何があるのか知らない。
どんな道になっているのかもわからない。
時には真っ暗で手探りで進まなきゃいけない場所もある。
程よく光の射す花畑の中もある。
共通点は終着点がないところ。
ない、見えない、というよりは未定。
私のことだから、
明らか道ではなくても(草の中とか)気分で入るし、
寄り道だってする。
そんな自分のペースで進む旅。
さあ、どんな道を進もうか。
日差し
ずっと空を覆う黒い雲。
朝からずっと曇り空。
たまには雨も降っていた。
一日終わり、帰る時間。
ふと上を見てみれば、
少し日が差していて、
光のカーテンになっていた。
とても綺麗な光のカーテン。
その内側で日差しを、
光を見てみたい。
窓越しに見えるのは
いつもと変わらない景色と、
窓に反射して映った自分。
反射したものとわかっていても、
もう一つの世界があるのではないかと錯覚しそうになる。
うっすら写った自分と外の景色。
窓って面白い。
赤い糸
「運命の人と赤い糸で結ばれているらしいよ!」
そう、誰かが言った言葉を思い出す。
未だ好きな人もいない、そもそも恋って?
という私は小指を見つめる。
いっそ、赤い糸が見えたほうが楽なのかもしれない。
好きも嫌いもわからない私は、そう考える。
でもいくら指を見つめようとただの指。
赤い糸は見えなかった。
いつか、見えるようになるのかな?
入道雲
朝、空を眺めながら歩いていた。
「上向いてどうしたの?」
「入道雲出てるから夏だなあって。」
「本当だ。」
このときに気づけばよかったのだ。
この入道雲は夕方には大雨をもたらすと。
夕方。
私は全力で走っていた。
「最悪っ、傘持ってないし、こんなときに一人だし。」
もう、頭の上から足の先までずぶ濡れだった。
体の芯まで冷えて、風邪をひくかもしれないと思った。
ゴロゴロッ。
私はさらに足を速めた。
家について温まって来た頃に、雨は止んだ。
静かだった。
突然止んで、今までが嘘かのように晴れていた。
「これなら、雨宿りしたらよかったな。」
私は空を見て呟いた。
入道雲は夏らしくていい。
でも、降り出したら厄介だ。