百加

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1/28/2024, 9:11:00 AM

優しさ


あなたが優しい人だと知っていた。
人の気持ちに敏感で、困っている人には自然に手を差し伸べる。
だけどあなたが、自分の優しさを自覚した時、
その優しさからは、
少しだけプラスチックの匂いがするようになった。

どうか気づかないで。
もし気づいたなら、あなたは、
とても傷ついてしまうと思うから。



#158



1/26/2024, 5:43:45 AM

安心と不安


あなたに会って、安心とは何かを知った。
あなたの前では、私の心と体は伸び伸びとして、
繕う必要がなかったから。
それまでの私は、本当の意味で安心していなかったのだ。

だからきっと、
あなたを失いそうになる時、
私は本当の不安を知ることになってしまうだろう。




#157

1/25/2024, 9:41:14 AM

逆光


光あふれる美しい景色と一緒に、
あなたを撮りたい。
あなたは日射しがよく似合うから。

でも私が光に惹かれて、
近づこうとすればするほど、
あなたは逆光で暗くなり写らなくなってしまう。

私が光に背を向けた時、
初めてあなたがはっきり写るなんて、
なんだか皮肉ね。




#156

1/24/2024, 7:20:22 AM

こんな夢を見た


 昔、職場の先輩だった女性に、
「〇〇ちゃんの結婚式の夢を見たよ」と言われたことがある。

 ぎょっとした。
「ど、どういう夢だったんですか!?」
 彼女と私は特に親しかったわけでもない。その時の私にそんな相手も予定もない。なのになぜ? 
 私が驚いて尋ねても、彼女は笑うだけで相手も内容も教えてくれなかった。何かの予知夢の類じゃないだろうなと、しばらくは気味が悪かった。
 一体どんな夢を見たんだろう。彼女は私のことをどう思っていたんだろう。かなりインパクトのある言葉だった。あれから随分経つけれど、今でも時折思い出す。




#155

1/23/2024, 9:51:00 AM

タイムマシーン


「タイムマシーンがあったらどうする?」
 子供みたいにあなたは笑う。
「そうだね、やっぱり未来が見たいかな」
 地球はまだ青いかとか、
 誰でも月旅行ができるかとか、
 太陽系の外に出られるかとか、
 光の速さを超えて時を飛ぶ、まだ見ぬ未来を二人で想像した。

 でもね、
 もし目の前に真新しいタイムマシーンが現れたとしても、あなたを置いて乗ったりしないよ。
 どんな素敵な未来でも、
 あなたがいないとつまらない。
 グラスのスパークリングワインの泡が光を弾く。
 こんなひとときには敵わないもの。




#154

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