百加

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12/5/2023, 5:15:32 AM

夢と現実


「なんで助けてくれなかったの!」
「そんなことを言われても……」
「私を置いて逃げるなんて、ひどいよ!」
 弱ったな。結構本気で怒ってる。
「ちょっと落ち着いて。……あのねえ、夢の中のことで怒るのやめてくんない?」
「普段のあなたのせいで、私がこんな夢見るんだから仕方ないでしょ!」
「あーハイハイ」

 これは今朝の話。君の夢と現実の僕。ホント理不尽だよな。
 でも君が、こんなワガママを僕にしか言わないのもわかってる。だから時々だったらいいよ。



#108

12/4/2023, 3:48:08 AM

さよならは言わないで


あなたは準備をさせてくれた。
そのまま消えてしまうこともできたのに、
傷つくだろうと私のために時間をかけて。
だから寂しいけれど、恨みはしない。

今は笑って見送ろう。
いろいろ思い出をありがとう。あなたと過ごした時間は私の大事な宝物になりました。
あなたを決して忘れない。
いつかまたどこかで。



#107

12/3/2023, 12:18:20 AM

光と闇の狭間で


『戦場にも笑いはあるのだ』と、どこかで読んだ。
 すぐそばに死が迫っていても人は笑い、そんな極限でも人は生きていく。人の強さと弱さ。

 太陽を直視できず、暗闇では何も見えない。人は完全な光の中でも闇の中でも、生きてはいけないだろう。

 そんなことを考えながら、今日も私は光と闇の狭間、明暗の混じり合うこの世界で呼吸している。
 捨てられない自分を抱えている。



#106

12/2/2023, 6:47:35 AM

距離


 いくら便利になって、ビデオ通話やいろんな連絡方法が増えても、会うことには敵わない。
 距離が遠く離れるほど、心も離れていく。それは寂しいけれどよくある話。

 だからあの時、私たちは必死だった。
 お互いの気配をそばで感じたかった。二人でいれば大丈夫と信じてた。

 なのに今、一緒に暮らしているのにすれ違う。目線が合わない。見るのはお互いの背中ばかり。
 私たちはどこで間違えたんだろう。

 二人でいるけど悲しいと思ったらいけませんか。
 こんなに苦しいなら一人になりたい。
 そう思ってしまうのは。




#105

12/1/2023, 4:24:52 AM

冬のはじまり


一、朝、布団から出られなくなる。
二、長袖のヒートテックを着始める。
三、玄関から外に出れば、朝の冷たい空気に吐く息がほのかに白く見えた。冬がやって来たね。

四、会社の帰り、駅から家に歩き始めると指先が冷たくなってくる。まだ手袋を使うほどじゃないと、ポケットに手を入れる。
 今、あなたと手を繋げればいいのにな、なんて思いながら。



#103

昨日は出先にスマホを忘れて間に合いませんでしたので、まとめて投稿します。





泣かないで


 薄暗くなってから近所の公園に呼び出された。親に言い訳をして急いで向かうと、公園のベンチに従姉妹の姉ちゃんが俯いて座っている。あー、またか。ため息を一つついて、思った通りを声に出した。

「また、振られたの?」
「違う! 振ったの! 二股されてたなんて……!」

 オレの遠慮のない言葉に、勢いよく顔を上げた姉ちゃんは噛み付くように言った。
 まだまだ元気があるみたいだな。

「あいつ、あんまり感じ良くないって、オレ言わなかったっけ?」
「言ったけど……。優しい人だと思ったんだもの!」

 四歳年上の従姉妹は、いつになったらオレの気持ちに気づいてくれるんだろう。
 ずっと子ども扱いするくせに、こういう時は呼び出すなんてズルいよな。

「泣かないでよ。そんなやつと別れて正解じゃん」
 自販機で買った温かいカフェオレ缶を渡して、隣に座った。姉ちゃんは鼻をすすりながら、ありがと、と呟く。白い両手が温かいカフェオレ缶を包み込んで、その手に涙が落ちた。

 だから言ったのに。
 腹だたしいけど、目と鼻を赤くして大粒の涙を零してる姿を見れば、やっぱり胸が痛むんだよ。オレならこんなに泣かせたりしない。

 でも、泣くならオレの前だけにして。
 早く大人になりたい。伸ばした手でそっと小さな背中を撫でた。



#104

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