辛いこと、嬉しいこと、
今日もよく頑張ったでしょ。
褒めてあげれるのは自分だけ。
認めてあげれるのは自分だけ。
なら、精一杯自分を労ろう。
今日はもう二度と来ないけど、
今日の自分も今日しか生きることは無い。
明日は明日の自分に任せて。
一日お疲れ様。おやすみ。
目が会った瞬間、この人だと思った。
優しい眼差し、芯の通った声、鼻筋の通った顔つき。
まさに神の最高傑作。彼以上の生物など存在しない。
彼を見た瞬間、恋情より先に、独占欲が私を支配した。
誰のものでもないのなら、
誰より先に私のモノにしなくちゃ。
たしかに綺麗な声だけど、叫ばれるのは面倒ね。
柔らかい目が取り柄なんだから、睨まないでよ。
傷付かないよう丁寧に、気付かれないように素早く。
大切に、誰にもバレない所に隠すの。
お気に入りだから、誰にも盗られたくない。
純粋で甘ったるいホワイトチョコレート。
嫉妬や独占欲で苦いビターチョコレート。
隠し味には恋に恋する盲目のブランデー。
ビターチョコを多めに入れて、白と黒を混ぜ合わせる。
黒が強いマーブルチョコ、貴方への想いにぴったり。
私は、誰かを愛したことも、
誰かを妬んだこともなかったのに。
貴方に出会ってから変わってしまった。
それなのに、分かってくれないなんて不公平よ。
苦くて苦しくて、それでも少しの甘さに酔わされる。
ああ、本当に貴方にぴったり。
今日だけは、私の愛を味わって。
過去は、霞んでいく。
飛び跳ねてしまうほど嬉しいことがあっても、
死んでしまいたいほど苦しいことがあっても、
いつの日か、鮮明に思い出せなくなる。
青春時代の切ない恋心も、
貴方と出会った時の気持ちも、
その時に得た激しく強い感情は、霞んでしまった。
過去に生じた確執なんて、今の私は覚えてない。
昔愛していた人だって、今更なんとも思わない。
私が表現出来る感情は、全て今の思いだ。
今食べているものがそこまで口に合わないこと。
今聞いている音楽が最近のお気に入り曲なこと。
今、ふと見た貴方の横顔に惚れ直したこと。
私が伝えたいことは、今の気持ち。
今までと同じ思いかはわからない。
これからのことなんてわからない。
それでも私は今、貴方を愛してる。
初めて君を知ったのは、花が咲き乱れる公園だった。
色とりどりの薔薇に囲まれた君は、
どんな花より美しく映っていて。
一目で心を奪われた。
それから何度か公園で会い、話しかけて、
気付けばピクニックをする仲になった。
君が案外笑い上戸な事、涙脆いこと。
知れば知るほどに、心が惹かれていくのがわかった。
何度目かもわからない、約束の日。
君との待ち合わせ場所に向かう途中で、
ふと目に留まった花屋。
店先に並んでいた真っ白な薔薇を見た時、
笑顔の君が頭に浮かんだ。
花を手に取るのに、それ以上の理由は要らなかった。
君は初めて知った時と同じように、
鮮やかな薔薇に囲まれて、僕を待っていた。
こちらに気付いて微笑む君に、
駆け寄りたい衝動を抑える。
震える手を押えて、君の前に白薔薇を差し出す。
花束なんて大層なものは、買えなかったけど。
この一輪に全ての想いを込めたから。
「好きです。出会った瞬間から、ずっと。」
どうか、この想いが届きますように。