キミは悪魔だと思っていた
ボクがやることにいちいち口出しをして
キミの通りにやったら
主体性がない
とダメ出しの毎日
何度キミのことが嫌になったか数えられない
けれどある日
厳つい先輩に絡まれているキミを見かけて
居てもたっても居られなくて助け出した
手足だけじゃなくて声までも震えたけれど
誰かが嫌がっているのを見るのがボクが嫌だったから
いつもいつもキミに怒られてばかりで
情けなくてへっぴり腰になりながらも
先輩にキミが嫌がっていることを伝えた
先輩は
偉そうにとか思い上がるなとか言っていたけれど
ボクは先輩がその場から立ち去ってくれただけで安堵して聞こえなかった
だからキミがあのときなんて言ったか覚えていない
でもキミはまるで天使のように微笑んだ
いつも悪魔みたいなキミが
ボクに微笑んだ
そのときボクはキミの虜になったんだ
『天使と悪魔』
今月の満月はいつだったかな。と夜空を見上げ少し欠けた月を見ながら思う
よくよく見ると上が欠けていたから3,4日前と言った具合だろうか
くそう、失敗したな
欠けた月も好きだけれど、やはり見るなら満月が良かったからだ。だが丁度その時、ボクは寝込んでいたから無理もない。
晴れていたからきっとまぁるい丸いお月様が見えたことだろう
どこから見てもまぁるい月
明るくて夜空を照らす月
そんな月にボクはいつも願っていることがある
否、願い出したことがある
キミが幸せでありますようにと
ボクとキミが出逢ったのは満月の夜だったから
今日が終わる。
キミと会えた今日が終わる
楽しくてたまらなかった今日が終わる
また明日
そう言っていつも帰り際にキミは言ってくれた
その一言は
キミとの今日が終わるのだなという感情と
また明日会えるのだという感情が合わさって
複雑な気持ちになるけれど
また会える気持ちのほうが大きい
だからボクもいつも
また明日
で返していた。
でもこれからはそれは無くなる
これからは共に
おやすみも
おはようも言えるのだから
目に見えない色
透ける色
もはや色と呼べるかわからないいろ
白色とは違って
あるかどうかわからない色
何も染まらないし
何も染められない
それは色がないから
透明は自然が作り出す
神秘だと思う
優しくて
かっこよくて
包容力があって
自己主張が激しくなくて
時に寄り添ってくれて
時に離れてくれる
そんな人が理想
けれど
そんな超人的な人いるわけがない
そんな都合のいい人がいたらロボットみたい
時に喧嘩して
時にわがまま言って
言いたいこと言ってそんな仲がいい
理想とかけ離れるのは困るけれど
あなたらしいあなたと関係を築いていきたい
『理想のあなた』