静寂に包まれた部屋
とにかくただただ暴れた。暴れて暴れて、落ち着いた頃には誰もいなくなっていた。
あんなに騒がしかった部屋があたかも何も無かったかのように静まり返っている。
もう二度と他の人がひどい実験をされることのないように機械を全て壊して壊し尽くした。
これで、誰も酷い目には合わない。もし同じことをしようとする人が現れても、僕がみんなを守るんだ。
せっかくいじられてしまった身体を使わないのはもったいない。
僕のこのカラクリの体でみんなを守って見せるよ
別れ際に
ごめんね、少しの間だけほんとに少しの間だけここで待っていてね。
必ず絶対戻ってくるから……
愛してる……
窓から見える景色
家の窓、車の窓、学校の窓、人々はそれぞれの窓から色んな景色を見ている。その景色は特別なものはないと感じるが、ふとした時間、疲れきった体……そんな時に見る景色はどこか違って見える。どうしていつものなんてこともない景色が、そういう時だけ、違って見えるのか。私は不思議だった。私はふと思った。窓から景色を見る時は人はどんな気分になれるのか、もしかすると人の気分的な問題で何の変哲もない景色が艶やかに変わるのだろうか。そう考えると大変な日々退屈な日々から生まれる景色を見るのは悪くないと思った。
形のないもの
気体も液体も個体と違って固定の形がない。
気体も液体は固定の形がないことによってどんな形にもなることが出来る。丸型にハマれば丸に、三角の箱にハマれば三角に。けれど、見た目はあたかもそのものになったように見えるが、本質は、変わらない。
だから私も、そうでありたい。気体や液体のように、本質は変わらずどこでも溶け込めるようなそんな存在になりたい。
ジャングルジム
人生は複数の手段でゴールまで進んでいくものだと思う。ジャングルジムで例えるなら、ジャングルジムはどこから昇っても最終的には同じところに着く。それと同じで、どこをどう踏み間違えても踏み間違え無かった時とおなじ結果になる。ただ手段や出来事が違うだけだ。だから失敗は恐れなくていい。たとえ失敗しても結局は成功した時と同じ場所に着くのだから。