Shiro

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7/30/2023, 11:42:32 AM

あの子の目は左右色が違うからってみんな仲間はずれにする。
大人も気味が悪いと言って近寄らない。

でもぼくはあの子の目がすごく好きだ。
左目はぼくたちと同じ色で
右目は真っ白で何ものにも染まらない孤高で澄んだ瞳をしている。

すごく、綺麗だなあ。

#澄んだ瞳

7/30/2023, 7:11:40 AM

白波のドレスでステップを踏み
暴風が奏でる不協和音
激しいダンスがお好みのようで

#嵐が来ようとも

7/29/2023, 7:55:54 AM

赤い提灯を揺らす生ぬるい風
少年は下駄を鳴らして人混みを駆ける

揺蕩う金魚
こちらを見つめるお面
ふわふわ甘いわたあめ

何もかもが特別な日
わたしたちの夏はあと何回やってくるだろうか

#お祭り

7/28/2023, 9:08:33 AM

神様、ぼくの大切な人をお救いください。
なんでもします、ぼくの命を捧げます、お願いします。

"その願い叶えてあげましょう"

空から声がした。
そっと顔を上げると真っ白な人がこちらを見下ろしていた。

"あなたの命と引き換えにあなたの大切な人を救ってあげましょう"

ああ良かった…これでぼくは…

"しかしあなたの命はまだ必要ありません、あなたの命の灯火が消える時その魂を頂きます。さあお行きなさい愛する者のもとへ"

そして真っ白な人は姿を消した。
ぼくはここで死ぬのだと思っていた。覚悟していた。
早くあの子のところに行かなくては!

(あなたの行いはずっと見ていますから)

#神様が舞い降りてきて、こう言った

7/27/2023, 1:44:31 AM

今夜は月に贄を捧げる日。
その日のためだけに買われたぼく。
周りの人たちはぼくを冷たい目で見る。
でもきみだけがぼくを優しい目で見る。
話しかけてくれたし、一緒に遊んでくれた。
ずっと一緒だよ。ときみはぼくに言ってくれた。
その時に決めたんだ、きみのためにぼくは命を捧げよう、と。

そしてその日が来た。今夜は赤い満月だ。
周りの人たちはぼくを狂った目で見る。
祭壇に着くとむせかえるような血の匂いがした。

そしてそこにはきみがいた。
虚な目でぼくを見るきみの首
ぼくの頭の中は真っ白になった。

ぼくの体を押さえつける大人たち
(あいつもこの日のために買った)

きみの血がこびりついた大きな斧
(生贄はふたり必要なのだ)

ぼくは絶望して叫ぶ
(その絶望が最大の贄だ)

振り下ろされた斧、途絶えた叫び。

#誰かのためになるならば

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