雨に佇む
急な雨が降ると
普段は何となく見ているちょっとした屋根に
人が集う
皆同じ格好をして
あぁ、生き物だったと思わされる
私の日記帳
少し前の日記を読む
あぁ、こんな事もあったな
もう少し前の日記を読む
この時はこんな気持ちだったか、そうだったか?
忘れている
ずっと前の日記を読む
なんてつまらない、勝手な言葉なんだと
自分で自分を疑う
どうやら私は
この時の私を飛び越えて
随分遠くまでやってきたようだ
まぁ悪くない
見晴らしの良い、気持ちがいい場所だ
今はまだ、遠いあの地平線も
その先には
理解さえしがたい世界があるのかもしれない
その時私は何を思うのか
ただ、気持ちがいいと思えるのなら
向かい合わせ
最初はドキドキした
目が合うと気まずくて
サッと逸らしたり
変な笑みを浮かべちゃったり
次第に嫌になってきた
ジロジロ見られてる気がして
好きだよとか
やめてよ
何食べてるのとか
聞かないでよ
もう、今になっては良い思い出だね
そこにいないと寂しい
隣にいないと不安
一緒にいるけど一緒ではない
横に並ぶと触れ合って
向かい合うとキスをする
当たり前に日常で
ありがたい幸せ
海へ
何もかも嫌になった
自分を悪いと思いたくない
でも多分悪くて
でも何が悪いかわからない
精一杯生きているはずなのに
理解されなくて
頑張り方を間違っているとしても
他にどう頑張ればいいのかわからない
でも自分だけは
頑張っていると認めたい
のに
認めきれない
味方になりきれない
自分を責めればいい
そして鼓舞すればいい
と思ってやろうとすれば
責めている時点で
辛くて聞いていられない
弱い
自分は弱い
何もかも捨てたい
そして
ただ 自分 だけで
責められない
認めてもくれない
ただそこにあるだけの
海へ
裏返し
裏返しの服を見ると思い出す
あ、きみだ
裏返しのポケット右側にリップクリーム
塗ろうとする度
取りづらそうにしてたね
パジャマを裏返しに着ると
恋愛運アップだって!
と、嬉しそうに話してた
ぼくときみは
パジャマは見るけど
将来は語らない関係
来ないかもしれない
いつかを待って
見て見ぬふりして
今を見てる
口をついて出そうになる
本心を
上手く飲み込んで
今日も
裏返しのきみと眠る