過ぎ去った日々/中2の自分
背の高い木に登り
世界を見ていた時
中2の私は家から
ナタを持ち出して
小屋みたいな物を
作って秘密基地に
したり英雄ごっこ
に夢中だった
女子の友達はできなかった
何故かは知らないけど
仲間外れではなかった
女子はキティちゃんの
人形を鞄に付けたり
グッズのキラキラした
「女の子」を満喫してる
私は殆ど買ってもらえないし
お小遣いも足りない
ハンカチはスヌーピーだ
人と違う事を気にしなかった
思春期の始まる前
今と随分違うなあ
いつから
人と比べるようになったんだろう
良い事が無いのに
比べて良いことなんてない
過ぎ去った
素直をまだ持っていた日に
おーいと呼んでみても
私は振り向かない
お金より大事なもの
お休みします。
月夜/13夜
銭湯に行きしな
空を見上げると
東に月が出ていた
夕陽の色を纏う時間
小さく見える月は13夜
お風呂を上がって帰る頃
西に傾き大きなライトが
煌々と照らすように
影も明るく見える夜
洗面器の石鹸箱と
シャンプーがカタリというまで
見上げて
今夜は月が綺麗ですね
と夏目漱石の書いたラブシーン
を思い出してた
絆/春の雨と
春の雨が降る中で
香りに惹かれ振り向いたら
見つけた紅色の花
沈丁花
傘を差し掛けると
ふわりと舞う香り
知らない路地にひっそりと
咲く花を見つけて
ひと休み
あの人の香りも
振り向くほど強かったが
沈丁花は艶やかで美しい香りだ
あの人と絆を結ぶことはできなかったな
と、思い出して苦笑する
そこまで惹かれた訳じゃなかったか
花を見ながらぼんやりしていた
たまには
天井の模様を見ながら
過ごしてきた
春だというのに
涙の跡が
起きたら出てる
これでいいとは
思ってない
たまには
土手のある
川のほとりで
詩を編みたい
横を向いて
出かけられない
苦痛を苦痛としない
自分を慰めてる
春だというのに
変われない