お気に入り/自分に帰る
三菱鉛筆の2B
0.4ミリのボールペン
0.9ミリのシャーペン
書き味、狭い所書き、折れにくい芯
文房具は拘り、必要かな
洋服はメンズ中心
殆どジーンズ
部屋着は被るワンピース
靴はお気に入りがあった
ピンクのライン入りのPUMA
ショッキングピンクのASICS
ブラックのウォーキングシューズ
はミズノ
重たいハーフブーツは放置してる
昔のお気に入りの
宝物はターコイズの
ビーズネックレスだったけど
今はアクセは無し
FtXって面倒くさいと思ってたけど
自分に帰るって自由は
持つと代えられない
今やベリーベリーショートの髪
が1番のお気に入り
誰よりも/春待ちの朝
温かく大きく肉厚な
思いやりが包み込む手
夢の中に表れる美しい
春の君
少しずつ空が明け
窓の日射しが明るくなる
朝の溜め息が寝坊して
目を擦っておはようと言う
心地よい季節の到来と
花々の芽吹きが
春の君の息吹で
起きますように
そろそろ山の雪を割り
積もることを心配しない
日が続くように
温かい春の君よ
誰よりも待ち遠しい
10年後の私から届いた手紙
毎日つらいつらいと暮らしていたら
引き出しの奥から封筒が出てきた
封がしてあり思い出せる記憶もなし
鋏を入れると
何枚も紙が入っている
札でもなくてがっかりだ
開くと原稿用紙の束
推敲だらけの過去作が
ぐいぐいと迫ってきた
書き直せと声もない圧力が
あったら怖いなあと思ったが
投稿しようとしていたものだった
それでも見直せば推敲したくなる
バレンタイン/あげない
手づくりチョコや
ブランドチョコレート
それで伝わるって思えない
たくさん貰って全部食べたら
ニキビ出るわよ
気取ってウイスキーボンボンでも
贈ろうかと思ったけど
辞めた
ニヤニヤこっちを見るんじゃないわよ
あなたにあげるのは
一言だけよ
あんたはどっちなの
チョコレートの数だけ笑顔を
あげるの
つまんない習慣
待ってて/春の薫り
淡い桃色の花が咲き
追って白い花が咲く
山里の梅園に
美しい若者と
美しい娘が
現れた
待ってて良かったと
娘が紅い唇で囁くと
若者は涼しい目を細めて
ほんとうにそうだねと返す
毎年枝ぶりが変わろうとも
紅梅の精たちは変わらずに
久しぶりの逢瀬に囁く
その声が広がり香しく
園の花々が人の世界に
愛しい春を告げる