伊藤透雪

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2/4/2026, 3:10:26 AM

1000年先も/一人飯


今日も僕は飲食店で一人飯を食べている
学生の頃から変わらない
特になんてこと無い日常だけど
ふと思うんだ

1000年先の人類は一人飯を
するんだろうか
それともお気に入りのロボットと話す
んだろうか
それでも話題を探して一生懸命話す
んだろうか

人が減って、探して話すようになる
んだろうか
連絡先を交換したり
飽きてメッセージの送り主がロボット
だったり
アンドロイドだったりするんだろうか

山葵がツンと効いた

一人でも寂しくない繋がりって
僕は苦手なんだ
オンラインゲームで話すことも
SNSで知り合ってリアルで会うようなことも
でも今が繋がる1000年先って分からない
一人で夕焼けを見られるとか
ご飯を自由に堪能できるような
そんなことも自由だといいなと思う

ゆっくりお茶を飲もう

2/3/2026, 5:07:54 AM

勿忘草/春が近い


春が待ち遠しい二月、
丘の勿忘草が一斉に花開き出す
小さな花弁に明るい青
空の色を映してる

伝説や花言葉は哀しいけれど
季節は呼吸を繰り返すから
春を待つ思いには
冬の暗がりから生き返った世界

ひたすら春の匂いと輝きが
青く群れている喜びが溢れる
春が近づいてきたよ

2/2/2026, 2:23:51 AM

ブランコ/揺れる


漕いで漕いで空高く。

妹がきゃあきゃあ言っている
仲良しだった幼い日々

お父さんと喧嘩して
飛び出してきた
公園のブランコだけが
迷う私を肯定するようだ
お父さんの言うことと
自分の渇望で揺れ動くのを
揺らすだけでも肯定してくれるみたい

結局決めるのは私で
後悔も受け止めるのも自分
お父さんのせいじゃない
会いたい、と思ったり
今は会ったらダメだ、と
頑固に優柔不断が染みる

結婚相手も自分で選んで
紹介すると難しい顔をする
お父さん
二人で頑張るよ、と言って
彼と結婚した
子どもが出来て
お父さんが笑顔になった

慌ただしく過ぎた日々
子育てに一喜一憂、
夫婦で生活が変わっていく
背と背の日常が
二人違っていく
そして二人きりになった

頑固と一喜一憂の染みが
割れ目を黒く塗りつぶす
変わらないと感じる日常に
ゆらゆら揺れる気持ち

別れを言わない代わりに
静けさで寂しくなった
そして一人分のコーヒーを淹れた

2/1/2026, 4:28:53 AM

旅路の果てに/人の中で


家族の中に僕は生まれた
おばあちゃんがやってくる
村のおじさん、おばさん
おはよう、お帰り、こんばんは
心通う中で始まった世界

草むらに生えている野菊
蒲公英
塀に這わせたグースベリー
川の側には山葡萄
一人でも寂しくなかった

学校に降りていく坂道
夕方鳴っているサイレンの音
友達とさよならして帰る坂
ーー

都会の世界で暮らす頃
知らない人の中で
歩いて生きて
僕は毎日が燻っていて
クリアにならない空気に
気づかないまま
重くなる背中
躓きやすい足で
懸命にあがいた
ーー

ふと思い出すことは
たくさんの人の中で
一喜一憂していた
ようやく落ち着いた今
遠い昔が霞む目で
のんびり詩など書いている

1/31/2026, 4:23:27 AM

あなたに届けたい/母へ


お母さん、お誕生日おめでとう!

月一回くらいの電話で。
ちょっぴり困惑したような
ありがとうね、と一言。

それよりあんた、ちゃんとやってるの?

ああ、母よたまには小言を辞めてくれ。

大丈夫、ちゃんとやってるよ
もう若いわけじゃないんだから、と
言ってから苦笑した。
後期高齢者の母に今もいつも通り
挨拶みたい

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