優しさ/寄り添えるひとに
落ち込んでる時に、
放っておくのではなくて
ブツブツ出てくる言葉を
黙って聞いて寄り添えるように
なりたい
大丈夫、って言ってる時に
無理しないでね、しか言えないけれど
辛い気持ちを打ち明けられる
信頼や安心感を与える人に
なりたい
頑張り過ぎって自分で分からない
からホッとできるような人に
なりたい
私が求めてばかりでなくて
いい距離感で支えられる
優しさを持ってるだろうか
ミッドナイト/月は見えない
フルメイクの夜
素敵なレストランで唐突に
振られた
叫びたい橋も
蹴りたい石もない道で
自分の馬鹿さにうなだれる
こんな夜は朝まで飲みたい
何もかも明日に消したい
入ったバーは程よく暗い灯りで
心に刺さらないのがいい
カクテルメニューを開いて
かっこいい名前のを頼んでみた
サイドカー、強いお酒
暗い店内でオレンジ色が透けてる
甘くてクラクラして喉が灼ける
チェイサーも飲まないで
次を頼んでしまった
X・Y・Z
別れはあっさりと
私はべったりしないのよ、
と呟いた
隣の男が見たけれどかまやしない
強すぎふたつで疲れた体、
朝まで飲める体が欲しい
店を出た都会の夜は月さえ
朧に見えて悔しい
こんな夜はひとりが辛いのに
バーで声掛かるほどポエムじゃない
終電のない暗い駅前で
タクシーの提灯だけが優しく見えた
安心と不安/老いた自分と
ひとは大昔から
火を囲み
井戸を囲み
一人ぼっちではなかった
今も一人ぼっちのようでそうではなく
知らない誰かに繋がっている
食べるためにも一人ではない
でも
一人暮らしのやもめには
誰かと話すこともなく
うっすら背中が不安だったり
心配の憂鬱が脚にいたりする
かつて家族団欒を囲んだ安心感は
大いに肯定感で満たされていた
その時は気づかない心持ち
あの子はどうしているかしら
そんなこともふと浮かぶ
それでも時間は襟を掴んで連れて行く
明日の私はどうなっているだろう
逆光/光の中へ
私たちの喜びは
逆光の中でくっきりと浮かび
記憶に長い光の帯になる
私たちの若さは
跳ね回る力が映る影絵
夏の眩しい光を受けて
私たちが大人になったら
穏やかに繋がる
今を共に携えて
陽に向かおう
美しく屹立した夢の目標は
眺めたあと向かって行こう
逆光は光の中へ向かうから
怖い事もあるけれど
ときに縮こまって休みながら
悲しみは内に秘めて
生きていこう
前へしか時間は動いていないから
時には見間違うけれど
プリズムで散らすのは辞めておこう
多分、陽の方向に道はあるから
こんな夢を見た/夢は蒸発する
縁起の良い夢も
楽しい夢も
起きた途端に分からなくなる
蒸発するように
見た夢が思い出せなくて
面白かったと思いが数分続いても
続きが見たくても
思い出せないし
普段夢見てたのか
分からないくらい
消えている
きっと思い出すには
難しいストーリーなんだろう
起きた途端に蒸発するのは
今日も生きてるってことだ
起きてしまえば忘れるけれど
明日は覚えていたいな
今日も元気で眠れたら