祈りを捧げて
ヒトは祈る
上手く行きますように
鎮まり給え
御守り給え
ありがとうございます
の祈りは少ない
時間は進むのに
過去に怖れ
災いの元を決めたがる
今日も生かせていただきありがとうございます
の時代が来るのを
祈る人々が増えますように
ヒトは時間にも祈る
できないことは後回し
祈りが永遠の文明になるには
ヒトの進化を待つしかない
祈らずに
重ね合う思いやりの上に築く
気の遠くなりそうな時間の先に
世界に
後回しせずに祈りを捧げよう
遠い日のぬくもり
私の大好きなエメラルド色メランジ
ふわふわのマフラーをくれた彼に
メリークリスマス
笑顔を作ったけど
微妙な表情の裏を感じて
素直になれなくて
ぎこちないありがとう
ハグもキスもしなくなってどのくらい
経ったか覚えてない
甘えに行くのも気まずくなってた
でも、
覚えていてくれた事が嬉しくて
出会った頃の思い出が溢れる
まだ大好きだよ
言えたらいいのに
言ってしまったら泣いてしまいそう
またLast Christmas聴いてる
揺れるキャンドル
お父さん
あの世はどんなとこですか
今はもう
仲間でもできましたか
この世に来たら知らぬ間に
景色もずいぶん変わったでしょ
灯した蝋燭ゆらゆら揺れて
花と一緒に流す舟
あの世へ送る渡し舟
光の回廊
暗がりに懐中電灯で照らす
と矢のように光が指すのは
曲がりくねった道。
「この道で合ってるのか」
「その筈だ」
さざめく葉擦れ
右への指示版が掠れて見えた。
こっちだ、
キョロキョロしているツレの肩を掴む。
若干の登り坂を指す懐中電灯は
左への指示版にうっかり当たってしまう
右は真っ逆さまの崖だ。
背中が寒くなりながら焦って左へ向かう
と僅かに窪んだ道に出た。
灯りを振ると、どうにか降りる道
がまたクネクネと続いている。
ツレが背中に手を当てているようだ。
「行くぞ」
返事は無いが構わず進む。若干
急ぎ足になって、くねる道を行く。
街灯が見えた途端
、
山道は無くなってしまった。
俺達は何処へ迷い込んだのだろう。
誰もいない平坦な所
で懐中電灯はなお灯りを指す
すっかり日が落ちてしまうまで、
山で夕日など見ている場合でなかった。
煙草を取り出し火を付けふかし
ふと
やたら長く感じたな、と腕時計を見た
10分しか経っていない。
まさか、と思いかけた頭を振った
麓の灯りがありがたい。
道路の照り返しはホッとする
んだなと僅かな視界で撫でた道
で振り返ってツレを見た
街灯の陰で薄暗く黒くうっすらしている。
「おいっ」
ニヤリと笑う人影に背筋が凍った。
時を結ぶリボン
撚り集まった母と父から
捻れて生まれた
詰め込まれ引き伸ばされた記録は
新たに生まれ容貌に繋がっている
臍の緒から流れてきたものは
内側に変容の芽をふき
頭の水底に不安定を残した
私は知らない
置かれた無数の付箋の意味を
撚り集まった父母の帯
肉体の赤い内側につぶつぶと実って
は種になることだけはわかった