伊藤透雪

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12/24/2025, 3:20:13 PM

遠い日のぬくもり


私の大好きなエメラルド色メランジ
ふわふわのマフラーをくれた彼に
メリークリスマス
笑顔を作ったけど
微妙な表情の裏を感じて

素直になれなくて
ぎこちないありがとう

ハグもキスもしなくなってどのくらい
経ったか覚えてない
甘えに行くのも気まずくなってた
でも、
覚えていてくれた事が嬉しくて
出会った頃の思い出が溢れる
まだ大好きだよ
言えたらいいのに

言ってしまったら泣いてしまいそう
またLast Christmas聴いてる

12/23/2025, 1:25:30 PM

揺れるキャンドル


お父さん
あの世はどんなとこですか
今はもう
仲間でもできましたか

この世に来たら知らぬ間に
景色もずいぶん変わったでしょ

灯した蝋燭ゆらゆら揺れて
花と一緒に流す舟
あの世へ送る渡し舟

12/23/2025, 2:40:11 AM

光の回廊


暗がりに懐中電灯で照らす
と矢のように光が指すのは
曲がりくねった道。

「この道で合ってるのか」
「その筈だ」

さざめく葉擦れ
右への指示版が掠れて見えた。
こっちだ、
キョロキョロしているツレの肩を掴む。
若干の登り坂を指す懐中電灯は
左への指示版にうっかり当たってしまう
右は真っ逆さまの崖だ。

背中が寒くなりながら焦って左へ向かう
と僅かに窪んだ道に出た。
灯りを振ると、どうにか降りる道
がまたクネクネと続いている。
ツレが背中に手を当てているようだ。

「行くぞ」

返事は無いが構わず進む。若干
急ぎ足になって、くねる道を行く。
街灯が見えた途端

山道は無くなってしまった。
俺達は何処へ迷い込んだのだろう。
誰もいない平坦な所
で懐中電灯はなお灯りを指す
すっかり日が落ちてしまうまで、
山で夕日など見ている場合でなかった。
煙草を取り出し火を付けふかし
ふと
やたら長く感じたな、と腕時計を見た
10分しか経っていない。
まさか、と思いかけた頭を振った

麓の灯りがありがたい。
道路の照り返しはホッとする
んだなと僅かな視界で撫でた道
で振り返ってツレを見た
街灯の陰で薄暗く黒くうっすらしている。

「おいっ」

ニヤリと笑う人影に背筋が凍った。




12/21/2025, 8:08:20 AM

時を結ぶリボン


撚り集まった母と父から
捻れて生まれた

詰め込まれ引き伸ばされた記録は
新たに生まれ容貌に繋がっている

臍の緒から流れてきたものは
内側に変容の芽をふき
頭の水底に不安定を残した

私は知らない
置かれた無数の付箋の意味を
撚り集まった父母の帯
肉体の赤い内側につぶつぶと実って
は種になることだけはわかった

12/20/2025, 3:45:54 AM

手のひらの贈り物

伝い歩きをしていた娘
が私に手を伸ばした
手を取って両手を掴んで
一歩

励まして二歩
嬉しい顔を二人で重ねたら
温かい手がキュッと握る

疲れたのか
手を離した娘の手の温もりさえ
嬉しい愛おしい

昨日まで泣いてばかり
と私まで泣きそうだったのに
いつの間にか笑顔
を見せるようになった娘
大事な宝物、と胸がドキドキ
してもう一度
おいでと手を伸ばしてしまう

親って何だろう

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