真っ暗で、救いようがないくらいの絶望に満ちた俺の世界に、手を差し伸べてくれた人がいた。
ただ、俺はその人を手にかけた。
差し伸べられた手にあった同情も救いもそのときの自分には必要ないと思っていたし、単純に邪魔だったから。
鉄格子のはめられた小さな窓の外は黒い。
それを見て、また同じ道にいるんだな、と気づく。
明日出所して、何かしら優しい感情を持った誰かが俺の前に現れて、………。
全ては絶望の中でループし続ける。
真っ暗な世界の中で。
#暗い鉄格子の中
月が綺麗ですね。
結構有名な言葉だと思う。
返答としては
こんなに綺麗な月は、初めてです(OK)
私には月が見えません(NG)
一緒に見てくれてありがとう(保留)
とか、色々ある。
私の初恋もそうだった。
何回告っても断られ続けた先輩に夏祭りに誘われた。
超張り切って浴衣着て行って花火を見た帰り道、
「月が綺麗ですね」って言われた。
ただ、無知というのは恐ろしい。
「先輩、月なんて見えないですよ?」
「………」
物知りな先輩はこれを否定と受け取り、
今まで何回も告ってきた私にブチギレて帰って行った。
いや、無知な私も悪いけどさ、
雲出てきて月隠れましたねって時に
そんな粋な告白するなよ!!
返事間違えて振っちゃったよ!!
そんなこんなで、私は月が嫌いです。
あれ、なんかお題と違うな。
でも、月はトルコ語にすると
「アイ」らしいので良しとする。
#「愛」と「アイ」
友人関係ほど危険なもんない。
多分ナイフとか鉄砲よりやばい。
あとあれだよ、なんだっけ、広島と長崎に落ちたやつ、そう、原爆。
あれくらいやばいでしょ。
ヘラヘラと語っていた彼女はもういない。
高校2年の夏、屋上から飛び降りた。
違う高校に進学した私は風の噂で聞いただけだが、原因はイジメらしい。
つまり、あれほど危険だと言っていた友人関係で失敗して耐えられなくなって消えたってこと。
馬鹿らしいと思っていた。
数分前までは。
本当に危険だったね、友人関係って。
私も貴方と同じ目に遭いそう。
明日、私の机はどうなってるかな?
靴あるかな?ジャージは?
わかんないなー笑。
間違っちゃった、私も。
どれくらい持つだろう。
一月?半年持てばいい方かな?
わかんないけど、もうすぐ貴方に会いに行くよ。
その時はよろしく。
三ヶ月後、一人の少女が死んだ。
#友人関係は続く