悠樹

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真っ暗で、救いようがないくらいの絶望に満ちた俺の世界に、手を差し伸べてくれた人がいた。

ただ、俺はその人を手にかけた。

差し伸べられた手にあった同情も救いもそのときの自分には必要ないと思っていたし、単純に邪魔だったから。

鉄格子のはめられた小さな窓の外は黒い。
それを見て、また同じ道にいるんだな、と気づく。

明日出所して、何かしら優しい感情を持った誰かが俺の前に現れて、………。

全ては絶望の中でループし続ける。
真っ暗な世界の中で。

#暗い鉄格子の中

10/28/2024, 10:11:55 AM