7/6/2023, 6:21:55 AM
冬の夜空は空気が冷たく澄んでいる分、星がきれいに見えると聞くが、東京駅まで走る新幹線から見える夜空は不気味なほど真っ暗だった。ホームに降り、改札を抜け、乗換口へ向かっている途中で、見知った人影を見かける。この頃の東京ではさして派手なほうではないが、上背が高いので威圧感がある男だ。
7/4/2023, 1:04:04 PM
ウェブブラウザのタブひとつひとつが、小指の爪の先ほどの大きさになるほど、複数のウェブページを開いて、あっちを開きこっちと見比べをしている。転職サイトの文言はどの企業も似たり寄ったりで、正直なところ、就業時間が日本の標準より三十分短いだとか、年収が今よりいいだとか、そのくらいしか判断基準がない。気になった企業を、友人のSNSにイイネする感覚で応募に進む。こんなに気安く応募していいものかという罪悪感はあるが、それなりの企業へ、それなりの志望理由を、それらしくまとめあげるスキルはあった。よほどの高望みをしなければ、書類選考は通ってしまう。どれにしようかな、てんのかみさまのいうとおり。本当にそれでいいのか?転職って、そんなにインスタントに進めていいのか?迷う自分もいるけれど、実際、天の神様の言うとおりにしかならないのだ。どんなにラブコールを送っても、企業が「君とはそんな関係になれない」と振ってくることはある。こればっかりは、神様しか結果を知らない。