丁度1年前のことだ。
貴方は私の目の前で肉片になって、笑ってくれなくなった。
貴方の笑顔のないこと世界はとても退屈で、私は死のうかと考えていた。
でも、私はまだ生きている。
息を潜めるように、貴方に懺悔するように。
あの日からずっと私は、貴方から逃げ続けている。
あいまいな空を見上げて、ふっとため息をつく。
朝、ふと吸いたくなってベランダに出てきたはいいがなんとなく見た空が感慨深くて、タバコを箱に押し込めた。
偉業を成し遂げることもない。大げさに人助けをできるわけでもない。
でもきっと、この生活は続いていくんだろう。
「好き嫌いしちゃだめでしょ」
そう言われて育ってきた。だから私は何でも食べるし何でも受け入れる。嫌な人も好きな人も等しく接してる。
だけど、ふと息苦しくなる時がある。
嫌なものは食べたくない、関わりたくない、好きな人のことだけ思っていたい。
そう思うことは、わがままなのだろうか。
キラキラと輝く街をふっと見てから、手元に目を戻す。
終わらない残業。数え忘れた何連勤。申請しても通らない有給。押し付けられる仕事の量に比例しない給料。
ぼーっとそんな事を考えながら、キーボードをカタカタと叩く。
今日も泊まり込みか。晩御飯食べたっけ。カップ麺食った気が…あれは昼か。朝も食わずだったなー。
不健康で、両親に心配されるような生活。
うるさい上司、使えない部下、鬱陶しいクレーム、扱い切れない新卒、圧力をかけてくる上層部。
そいつらに囲まれて、何の意味があるんだろうななんて思いながら今日も俺は仕事を進める。
サラリーマンが社会の歯車なんて嘘だ。実際は会社の肥やしでしかない。
それでも俺は働いて、「何かの歯車」になれるよう勤めている。
ずっと、「何者か」になりたかった。
学生時代からずっと、無意識的にそう思っていた。それを最近自覚した。俺は「何か」になりたいんだと。
人の役に立つ、一人で立っていられる、俺一人で多くを成し遂げられるような「何か」に。
そんな日が来ないことはわかっている。俺一人で成し遂げられたことなんて今まで一度もなかった。人に甘えてばかりで、大して人の役にも立ってこなかった。
それでも俺は、この世界で、この街で生きていく。
「何者か」になるために。
やりたいこと
・露語勉強
・伊語勉強
・お上品な人になりたい
・美人になりたい
・痩せたい
この願いを去年の大晦日に立てて以来、何も成し遂げられずに半年が過ぎました。