クジラになりたいイルカ

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11/20/2022, 12:24:06 PM

宝物____写真。

11/18/2022, 2:12:44 PM

たくさんの想い出____

2021/06/26 小説日記 手を握りしめるとき

一番最初に書いた小説日記です。






迫力のある演奏。
鳥肌が立つほどの爆音とともに重みのある質圧。
見ているとこっちが指がつるほど早い指回し。

指揮者の腕の回し方やリズムに乗り体が波のように揺れた。ソロ演奏する人は堂々と体を揺らし、私が主役だ!そう訴えられたような気がした。



今日は吹部のコンサートだった。私は熱を出し、そして定期テスト期間中だったため、一週間もホルンに触れていなかった。吹けなかった。そして、ホルンの練習ができることなくコンサート。今まで以上に緊張が走った。そしてコンサート会場には私達の中学校元顧問の恩師。志賀先生がいた。

私はど緊張の中なれた様子で、落ち着いたように見せるため、堂々と歩いた。椅子に座り、チューニングをすると、音が震えていた。いつもはこんなはずじゃない。もっときれいに出るはずなのに。口が、手が、足が、体が、震えて…真っ直ぐな音が出ない。


チューニングを終え、演奏が始まっても、私の体の震えは止まらなかった。汗ばんだ手がツルッと滑る。私はホルンを持つので精一杯だった。汗ばんだ手に私達を照らすライト。目の前には沢山の観客。音がうまく出なかった。そして部長が告げた終わりの合図。


「起立!気をつけ!例!」

「……あり、ありがとうございました」


少しあいさつがしょぼかった。その時の私はそれぐらいしか思わなかった。その次は志賀先生の学校だった。先生がチューニングをしてと呼びかける。すると生徒はチアリーダーのようなテニス部のようなハキハキとした返事に私は圧倒された。演奏が始まると、まずあの志賀先生の指揮に見とれた。
あの動き、あの振り方、あの背中姿。先生だ。私は悔しくて悔しくてたまらなかった。

ここは弱いと聞いていた。どこがだ。とんだ強豪校じゃないか。もともと強かったのか。それとも志賀先生が入りたったの数ヶ月でここまで大きく変わったか。どっちにしろすごいことは変わらない。でも、もし志賀先生の影響だとするなら…。そんなことを考えると裏切られた気持ちでいっぱいだった。

私はいつの間にか手のひらに爪痕が残るぐらいの強さで手を握っていた。薄暗い会場でもわかるくらい真っ赤になっていた。自分でも驚いた。でも、涙を流すよりこっちのほうが断然いい。しかし、どうして私は涙が出そうになったのだろうか。


志賀先生に裏切られた感覚があったから?
あまりの凄さに動揺したから?
私がどれだけひどいか思い知らされたから?

それは私にもわからなかった。感動しているのか、ムカついているのか、悔しいのか。色々な感情がぐちゃぐちゃで、一つの言葉には表せないとしか言いようがない。



それからいくつかの学校が演奏を終えた。先生の学校以外は私は涙が出そうにはならなかったが、手を握りしめることをやめることはできなかった。

そして、ある中学校があった。
そこは1、2年しかいなく、私は握りしめていた手が勝手にほどけた。少し、呼吸をし、手をタオルで拭いた。その後、部長が挨拶をした。

「起立 気をつけ 例」

「………」

何数秒かたち生徒たちは周りをキョロキョロした。すると誰かが、「あ」と言った。
続けて誰かも「あ」と言った。

「……。あり、ありが、とうございました」

弱々しい声に、バラバラな掛け声、戸惑った様子に少し空いた間。私は思わず、えw、と思った。だが、その後秒もたたず、手をぐっと握りしめた。

あれ。私達の挨拶ってこんな感じだった気が……。あの中学校ほどではなかったけれど、弱々しい挨拶が、揃わないことは自分でも覚えがあった。あぁ。こんなふうに聞こえるんだ。私は悔しくてさらに手を強く握りしめた。


最後の学校は私達が以前やったエールマーチだった。懐かしくなり、これはリラックスして聞けた。だが、次は違う曲になった。
私は目を思わずかっと開いた。ホルンのソロがあったのだ。すごくきれいな音色に、会場中が、響き渡る。普段脇役で目立たないホルンのソロ。どれだけ嬉しく、どれだけ責任があるか。私には想像できないぐらいの気持ちだろう。また、手を握りしめた。


このソロを聞いて、先輩はどんな反応をするんだろう。ちらりと横を見ると先輩は、寝ていた。私は、さらに強く手を握りしめた。この状況でよく寝れるなぁ。と思い、少しは真面目に聞いてほしいという怒りも出てきてしまった。でも、先輩がきっと真面目に聞いていないのは、ステージで、全力を出せたからだろう。一方私は全く吹けない現実に叩き突きつけられた。先輩には余裕があったんだ。きっと。でも、できるから寝ても大丈夫、とは思わなかった。ならば、ここの会場にいる生徒全員、全力を出したからと言って寝ていいのか。そうも思ったからだ。先輩には失礼だが、もっと緊張感を持ちこのままではダメだ。そんな気持ちを持ってほしいと思ってしまった。

「ブォーン!!」

どこかで聞き覚えのあるトロンボーンの音。引退してしまった先輩のような音を出す女子がいた。私はさらに手を強く強く握りしめた。

ホルンのソロを聞くたびに、
あきら先輩のようなすごい
トロンボーンの音を聞くたびに、
私の手を握りしめる強さは増していった。




全ての演奏が終わった。ぼーっとしていると、私はこんなに負けず嫌いだったのかな。とがっかりした。昔からプライドがなく、なにか勝負事に負けるとしょうがないと思うばかりだった。よく親からは少しはプライドを持ちなさい。と言われた。でも今思えば、私は負ければものすごく悔しいが、それから勝とうとする執念深さや諦めない力がないことに気がついた。上を目指したい。なほ先輩を超えたい。私は最終的にそのような気持ちになっていた。悔しそうに見せず、隠しながら段々と、成長していき、わっと驚かせてやりたかった。
でも、それは実現できるだろうか。


会場中の電気がつくと、爪の跡がついて真っ赤かっかになった私の手は震えていた。血が出そうだ。最近どうも嫌なことがあると手を握りしめてしまう。でもこんなに真っ赤になったのは初めてだった。


最後に集まり、志賀先生が、なにか声をかけてくれるかと期待をしたが、やはり怒っても声もかけてもくれなかった。そして、今の顧問の先生に怒られると思っていた。だが、あいさつを注意される程度だった。


いつ先輩は本気で演奏をするんだろう。
いつ2年生は本気でやるんだろう。
いつ部活をサボる人はなくなるんだろう。



いつ私はみんなに

本気でやりたいと、
金賞を取りたいと、
あの中学校のようになりたいと、
最高の演奏がしたいと、

伝えられるんだろう。




11/16/2022, 1:20:45 PM

はなればなれ____


出会い、部活、声、ユニホーム、汗、応援、大会、

人間関係、友情、裏切り、後悔、憂鬱、決断、

恋愛、幸せ、希望、感情、テスト、努力、絶望、

悔しさ、気持ち、傷、痛み、家族、喧嘩、感謝、

友達、クラスメイト、教師、廊下、教室、部室、

校庭、体育館、花、涙、別れ、出会い、

2枚目の青春のチケットを取ってやる。

11/15/2022, 1:16:00 PM

子猫____


私が小学3年生のときだっただろうか。

約3週間うちで子猫を預かることになった。


お風呂から逃げた子猫に

ゆっくりと近づき少し距離を取って正座する。

「猫さんこんにちは。安心してください。

イルカは猫さんの味方です」

と言って手を子猫の前に近づけたのを覚えている。

すると子猫は匂いを嗅ぎ

段々と私の方へよってきたのだ。

私はタオルで子猫を包み拭いてあげた。

その後は覚えていない。

ただ、目が覚めたとき

私の腕の中にはタオルをかけた子猫が寝ていた。

猫アレルギーの私はくしゃみをした。

11/11/2022, 2:15:43 PM

飛べない鳥____

2022/11/11 小説日記


「マジでめんどくさいね」

「何あの態度」

「あいつマジで無理」

「空気読めよ」

悪口。昔からそれの言葉、行為が大嫌いだった。




される側がどれだけ苦しいか私は知っている。
する側がどれだけ傷つけられたか私は知っている。

それなのに人は傷つけられ悪口、愚痴を言う。
吐き出したくて辛くてたまらないから悪口を言う。

それってしょうがないのかな。相手が酷いことをしたから愚痴という盾の裏で悪口を言っているだけで、けしてどちらもいいものじゃない。それでも、ストレスは溜まるもので、私はそれを聞くのが一番嫌だった。される側やする側よりも聞く側の方が私にとって一番辛い。







私のクラスは優しい人が多い方だと思う。いじめなんてないし仲間はずれにしたりはしない。だけど、クラスに一人だけとても陽気で明るい子がいる。
9/4のお題だった「きらめき」にその子について一度小説日記を書いたことがある。

明るいけれど、とてもとてもわがまま。まるで小学生のように堂々と言いたいことを言える子だ。それが彼女の長所。その長所に助けられた人が多くいる。だが、逆に傷ついた人も多くいる。私はそんな彼女に対して不安しかなかった。

「なんか、〇〇(彼女の名前)おかしくない?」

体育の時間、チームが彼女と親友と一緒になった。他にも3人の陽キャ女子がいた。

「うん、ちょっと思った」

チームでリレーを続けているとき彼女はなぜか元気がなく近くにバレーボールがやってきても取ろうとしなかった。

「ご機嫌斜めなのかな…」

「そういうのまじうざい」

チクと少しだけ胸が痛む。親友が悪いわけじゃない。ただ、なんか嫌なんだ。何かが嫌なんだ。


試合が始まり私達は位置についた。親友は隣に、斜め前に彼女がいた。相手のサーブが来ると、このクラスで一番裏表がある女子がボールを上げた。

「ナイス!ナイス!」

「いいよ!いいよー!」

などと手を鳴らす音とともに掛け声がこちらから聞こえる。さすが陽キャグループ。それに、私もハブられないように「おー!すごい!すごい!」と言い手を何回か鳴らした。

しかし、相手のコートに返すもまたこちらへボールが返っていた。それは大きな山なりで優しいボールだった。完全に彼女目掛けて落ちてくるボールに周りが「〇〇ー!」、「〇〇お願い!」と声を掛け合った。





___……え?w

その場にいる全員がそれを心の中で思っただろう。彼女は歩きながら落ちてくるボールに近づき取ろうとしなかった。それは、落ちていないはずのボールを拾おうとせずに落ちたあとのボールを拾いに行くようだった。

その姿に全員が言葉をなくすが「惜しい!惜しい!!」、「〇〇どんまーい!」とすぐに声を掛け合う。さすが陽キャグループ。

試合はボロ負けだった。終わった瞬間、親友がサーブを取ったクラスで一番裏表がある女子に駆け寄り耳元でこういった。

「〇〇やばくない?」

「マジでめんどくさいね」

「何あの態度、」

少し距離があったとは言え、私には聞こえた。彼女は近くにいないかと冷や冷やしたが幸い近くにはいなかった。

彼女はたまにこういうことがある。なにか気に食わないと一方的に怒り空気を乱す。そういう性格だ。部活でもそのせいで大変だった。私も彼女に部員の前で散々悪口を言われたのを覚えている。「イルカってうざくない?」など。それを私や他の部員は静かに聞くだけで空気が最悪だった。

彼女が悪い。わかっている。私だって酷いことをされた。けれど、なんでそれでも彼女が悪いと思えないのだろう。

その後は親友とトイレに行き、彼女の愚痴を散々聞かされた。トイレを通り過ぎないかと心配だったが反対側の階段から行ったようで来る気配はなかった。


「あいつマジで無理」

「あー、ね、」

なんとなく言葉を返す。

「空気読めよ」

「たしかにねー、」

なんとなく返事をする。


彼女の気持ちもわかるし親友の気持ちもわかる。だから、偽善者とよく自分自身に言われるのだ。10分程度悪口、愚痴を聞かされ教室に戻った。すると、彼女の機嫌は直っておりテンションがさっきの何倍も高かった。

少しだけ鼻で笑ってしまいそうになる。


こんな些細なことが積み重なって貴方は嫌われてるってわかってる?
そう言いたくなる。

このままじゃ貴方はどんどん嫌われ続けるんだよ?
そう言いたくなってしまう。


一人でこんなことで悩んでいる自分が馬鹿みたいだ。彼女は知らないんだ。自分が飛べないことに。周りは小学校から一緒で彼女はこういう人と理解があるから合わせてくれる。飛べるのに一緒に歩いてくれる。けれど、それを彼女は当たり前だと思っている。本当はみんな飛べるのに。


そんなふうにまた悩む自分が馬鹿だなと思う。そうやって深く考えるから愚痴を聞かされると辛くなるのだ。

される側もする側も聞く側も
それぞれ苦しさがあり、それぞれ悩みがある。

よく道徳のお話では喧嘩している間の人が仲良くさせたり第三者、聞く側を利用して中和しようとする。けれど、現実ではそんなこと上手くできっこないんだ。









あとがき

ここまで読んでくれた方ありがとうございました。不快に思わせてしまった方、すいません。

よかったら「きらめき」の小説日記も読んでみてください。彼女についてよくわかると思います。






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