クジラになりたいイルカ

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10/5/2022, 3:41:16 PM

星空____


真っ暗な闇の中に星がたくさんある空。

ほろ苦くてちょっと大人の味がするチョコケーキ。生クリームじゃなくてガナッシュを満遍なく塗った上から更にキラキラしたスプレーをかけたような。
満開の星空。




真っ暗な闇の中にはぽつんと1つの星がある空。

シュワシュワとしたメロンソーダにアイスクリーム。上には1つだけさくらんぼがぽつんとあって、それだけでメロンソーダの印象は全く別のものになっちゃうような。
きれいな星空。





夕方、薄い青空に夜が来ると教えてくれる星の空。

待ちに待った新作のアイスクリーム。口の中にじゅわっと広がるアイスの感覚が疲れを浄化させる。一口食べた瞬間、「あ、これやばい」と手を止めることなくスプーンをアイスに差しこんじゃうような。
新しい星空。




朝方、薄暗い空に朝が来ると教えてくれる星の空。

もうすぐ食べを得てしまうチョコケーキ、メロンソーダ、新作のアイスクリーム。最後の一口が食べきれず少しためらってしまう。だけど、それと同時に「次は何を食べようか」と新しい星空をくれるような、ほんの少しの喜びをくれるような。
寂しい星空。




みんなは何が好き?



9/30/2022, 5:05:31 PM

きっと明日も_____

小説日記 2022/10/01




「クジラは勉強してるでしょ?」

その親友の言葉に毎回カチンとくる。一日に必ずこの言葉を言われる。特にテスト前には。受験生だからしょうがないのかもしれない。でも、どうしてもムカムカしてしまう。




「してないってばー!」

本当のことなのに、私はよく嘘をついてるかのように言ってしまう。自覚しているのだけれど、焦るとどうしても言葉がうまく出てこない。出てきたところでバカみたいな言い訳をしているだけで相手には何も響かない。だから、シンプルに「していない」と伝える。それでも、疑われるのはなぜだろうか。




「いや、裏ではしてそう」

裏も表もなにもまず私は彼女みたいに努力する気持ちがない。やったところで報われるかどうかもわからないことをそんなに必死にやりたくない。でも、それはみんな一緒で報われるとかそういうのわかった上で努力をする。だけど私には難しいよ。




「さっきの私のワーク見たでしょ?」

さっき、彼女は私の机の上に置いてあるワークを勝手に取り「一緒に勉強しよ!」っといつものように自分の机へ運ぶ。私も彼女の席に向かう。勉強と言っても彼女はただ私のワークをみて『コイツよりはましだな』と優越感に浸っている。別にそれはいい。私がやっていないのが悪いからだ。でも、私のワークやノートをずっと見といて彼女のワークを見ようとするとさり気なく取られてしまう。こんなことでムカっとする私は幼稚だろうか。




「それに、私の昨日のスクリーンタイム8時間だしさー!まじやばいよねw」

彼女は毎日塾に行って頑張っている。知っている。わかっている。でも、その約3時間が目覚ましの時間で、その約4時間が癒やしボイスや音楽。そんなの彼女は知ったこっちゃない。時間は時間。無駄にしたのに変わりはない。だけど、hspという体質のせいにしてしまいたい自分がどこかにいるんだ。しょうがないと。そう言ってしまいたい自分がいる。




「え、絶対嘘」

嘘だったら、いいのにね。朝1時間半かけていて起きることも、学校が終わると疲れてベットに飛び込んでしまうことも。夜、自分の過去や自分の過ちを思い出して、偽善者のように泣くことも。何も見たくなくて眼鏡をつけないことも。何も聞きたくなくてイヤホンをつけることも。全部全部ぜーんぶ嘘だったらいいのに。そう何度思ったことか。






「ホントだってー!!」

「じゃあ、ラインで送ってね?」


脳内で真っ白い背景に文字が浮かぶ。




①送る
・「え、やば」と言われ「しょうがないじゃん!」と怒ってしまいたくなる自分が出てきてしまう。
・彼女の励みになるというメリットもある。

②送らない
・きっと明日になったら忘れているし、言ったことろで話をぶり返してしまう。
・家で彼女のことを考える必要がない。
・信用度が低くなる可能性がある。




信用度は元々ないと思うし家では一人でいたい。だから私は②の方を選ぶことにした。





本当は彼女に、ムカついてるんじゃない。

毎日毎日頑張っているのは彼女なのに、『頑張れないのはしょうがない』と言い訳してしまいたい自分にムカついて仕方がないんだ。





____自分を恨む。



9/29/2022, 1:51:19 PM

静寂に包まれた部屋____


薄暗い部屋にひんやりとするシーツ。カチカチと部屋になり響く時計の音が止まることはない。

右を向けば、居心地が悪く、
左を向けば安定感がない。

動くたびにベットがきしみ、音をたてる。
私は左でもなければ右でもない、天井を見た。


目をつむって無意識にあの子を思い浮かべた。

冷たい目線。冷え切った沈黙。
薄っぺらい感情。ぬるっとした声。

私が悪い。知っている。
そんなの知っている。

だけど、あの子も悪い。そう伝えたいだけなんだ 。
お互い様だと。私だけじゃないと。
ただ言いたいだけなんだ。


9/27/2022, 2:20:24 PM

通り雨____

一度だけ、傘をささないで
外へ飛び出したことがある。

外はザーザー降りでものすごい雨だった。
でも、遠くの空は少しだけ晴れていた。

私はサンダルを履いて玄関を開ける。
意外と寒くて家に戻ろうとしたけど、
このまま散歩をしようとなぜか思った。

周りは田んぼだらけで家なんてほとんどない。
だから、気楽に散歩ができた。
田んぼ道を歩いていると、
だんだんだんだんと雨が弱まっていった。

田んぼの真ん中に立ち止まる。
目の前からさーっと雨がやんで
空が青くなっていった。

今でも覚えている。

急いでスマホをかざしたけど
撮ることはできなかった。

でも、その日、一番印象に残っているのは、
びしょびしょになって帰った私を
こっぴどく怒った母の顔だ。





9/26/2022, 1:34:37 PM

秋🍁

秋はあまり好きじゃない。

夏が終わったと言われているようだから。
冬が始まると言われているようだから。

どんどんどんどん
寒くなって年が明けて。

また、春になったと思ったら夏になって。
秒で夏が終わって秋になる。

夏が終わったときの
冬になる前の

秋が一番辛い。

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