窓から見える景色____
ドーン。
花火が打ち上がった。
私の住んでいる市は定期的に冬でも春でも
いつでも花火を上げる。
机に座っていた私は窓をガラリと開け外を見る。
だけど、いつもマンションが目の前にあって
花火がかけている。
「もう終わりかな」。
みんながそう思い始めて窓を閉めようとした瞬間、
ドーン…!!!
と大きな音がするんだ。
それは振動で少し家が揺れるくらいで、
とてもとても、とにかく、大きい音なんだ。
その瞬間、かけて見えていた花火が、
まるまる全部見える。
その瞬間のために私は花火をみる。
それ以外は、
かけていてほんの少ししか見えないけれど。
その一発のために私は窓を開ける。
窓からは何も見えない。
ただの駐車場に大きなマンション。
それだけ。
でも、この花火だけは毎日見たいと思える。
ジャングルジ厶____
ジャングルジムって複雑だ。
人の心みたいにぐちゃぐちゃしていて、
スカスカで棒と棒同士が支え合ってできてる。
ほんとに複雑。
声が聞こえる___
「最近、クジラ性格悪いよね」
えっ…と焦る。
「えー!うっそー。まじかぁー!!」
彼女は斜めしたに目線を落とす。
「こいつ自分が何したかなんにも分かってない」
きっとそう思っている。
わかってるよ。自覚あるよ。最近、人に優しくできていないって。自分の意見を優先しているってわかっているよ。でも、1年半、私は彼女の言うとおり行動した。そのせいで、学校に行けなくなりかけた。
「我慢しなくていい」
そう先生に言われた。だから、少しだけ我慢しなくても大丈夫だと安心した。だけど、それは間違いだった。私の我慢は優しさ。我慢して優しくする。だから、我慢しなくなると優しさも消える。そして、彼女は私を避ける。
また、我慢しなきゃいけないの…?
聞こえる。
優しくしないと私は貴方のそばにいれないの?
きこえる。
また、前の私に戻らなきゃいけないの…?
キコエル。
優しくしないと私は嫌われちゃうの?
キコ、エ、ル。
____また、イヤホンをして考えるのをやめる
大事にしたい____
過去の嫌な思い出全部思い出す。
“死にたい”
気がついたらそう呟いている。
ぐっと手や体を絞り込んで歯を食いしばっている。
でも、すぐに収まる。
嫌な思い出は大したことない。
死にたいなんて思わない。逆に生きたい。
ただ、逃げられない過去の場から
消えてしまいたいだけなんだ。
この前、いつものように思い出すと気がついたら
口からぽろりとその言葉が溢れていた。
周りは騒がしく、友達には気づかれなかった。
よかったと胸をなでおろす。
過去の失敗から今の私がいる。
そんなことはわかってる。
低学年の頃にいじめをしたこと。
その事実からは逃れようがない。
昔のことを改めて思い出すと
私は小さい頃から最低な人間なんだとわかる。
だから、今どんなに私が悪くなくても
謝るし、お礼を言うし、優しくする。
過去の過ちを大事にしまっておきたい。
でも、そんなことできないんだ。
時間よ止まれ____
もしかしたらこの世界に
時間を操れる人がいるのかもしれない。
私達が気づいていないだけで、
すでに時間は何回か止まっているのかもしれない。
たまに、そう思うんだ。