夜景____
夜、叔母の家へ晩御飯を食べに行く。車に乗って両耳にイヤホンをつけ「The Walters – I Love You So」を流す。
I just need someone in
my life to give it structure
最近、「おやすみプンプン」という漫画に「The Walters – I Love You So」の曲をつけた動画がよく流れる。その漫画を見るためだけにアプリを入れた。読み進めていくうちにこの作者はどんな人生を歩んできたんだろうと思った。
To handle all the selfish ways
I’d spend my time without her
雨上がりの夜はなんだか違う世界のようで、全てが水に包まれたみたいで、不思議で、怖くて、面白い。久しぶりの眼鏡の世界は何もかもがはっきりとしていた。まるでシャープのフィルムがかかっているみたいだ。
Everything I want,
but I can’t deal with all your lovers
私は音量を上げる。それでも救急車の音は入ってきた。窓には水滴がついていて信号や車、蛍光灯の色を薄くさせる。だけど、段々と色は消えていった。
Saying I’m the one,
but it’s your actions that speak louder
車から降りると少しだけ雨が降っていた。イヤホンを外す。周りからはカエルの鳴き声と星の色だけか見えなかった。
Giving me love when
you are down and need another
ご飯を食べてまた車に乗る。私は眼鏡を外してイヤホンをつける。また、あの曲を流す。
I’ve got to get away and let you go,
I’ve got to get over
眼鏡を付けていない世界が綺麗に見えた。
濁ってる方がぼやけてる方がいいと思った。
But I love you so
見えない。聞こえない。感じない。
I love you so
見たくない。聞こえたくない。感じたくない。
I love you so
あいらぶゆーそー
花畑____
歩いていると道端に花が咲いている。
歩いていると花弁が空から降ってくる。
歩いていると花を持った人が通り過ぎる。
歩いていると萎れた花を持った人が通り過ぎる。
人はなぜ、花を植えるのだろうか。
人はなぜ、花を誰かに与えるのだろうか。
空が泣く____
空が泣く
貴方が笑えるように
風が歌う
貴方に聞こえるように
雲は揺れる
わたしの心のように
あわく、脆く。
それでも強く
今は歌う
ただ、あなたに届くように
虹がかかり
そして、繋がる。
____紡ぐ
命が燃え尽きても____
もし、私が寿命宣言を受けたり
機械をつけなきゃ生きれなくなったり
生きながら死んでいくのなら
この体を誰かに譲ろうと決めている。
心臓、肺、肝臓、腎臓、膵臓、小腸
どれでもいい。なんでもいい。何個でもいい。
最後ぐらい誰かの役に立ちたい。
でも、本当は、
体すべて燃え尽きるのが怖いだけ。
私は誰かの体の中で生き続けていたい。
100%死んでしまいたくないだけだ。
命が燃え尽きても____私は生きたい。
夜明け前____
なにが、ムカつくって……?
なんだろうね。もう、全部がムカつく。
でも、それを吐き出せないのは、訳があってさ。
その訳は自分の嘘からつくり出したもので、
だから、言い訳なんてできないし、
したところで、みんなから
『コイツ、誤解を解こうと必死だな』
と思われるのが落ち。
何をやったって無駄。
そんな未来しか見えなかった。
それなら、無駄な抵抗をやめて、
すんなり受け入れればいい。
笑っていればいい。
そうすれば、時間はあっという間に流れる。