鳥のように空を飛んでみたい。
本当に飛んでみたい。
何回も想像したもん笑。
自分が自由に空を飛べるようになったって。
タケコプターができるまで生きたいなぁ。
さようならを言う前に
『ごめんね』
となぜ言えなかったのだろう。
空模様____
____雲居の空(くもいのそら)
ぽっかりと雲が浮かんでいる空のこと。
穏やかな空に柔らかな風が吹き抜ける言葉。
同時に、
「遠く離れた場所」
を表現するときにも用いる。
鏡
かがみの孤城 ※ネタバレ注意
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たとえば、夢見るときがある。
転入生がやってくる。
その子はなんでもできる、素敵な子。
クラスで一番、明るくて、優しくて、
運動神経がよくて、しかも、頭もよくて、
みんなその子と友達になりたがる。
だけどその子は、たくさんいるクラスメートの中に
私がいることに気がついて、
その顔にお日様みたいな眩しく、
優しい微笑みをふわーっと浮かべる。
私に近づき、
「こころちゃん、ひさしぶり!」
と挨拶をする。
周りの子がみんな息を呑む中、
「前から知ってるの。ね?」
と私に目配せをする。
みんなの知らないところで私たちは、もう、友達。
私に特別なところがなくても、
私が運動神経が特別よくなくても、
頭がよくなくても、
私に、みんなが羨ましがるような長所が、
本当に、何にもなくても。
ただ、みんなより先に
その子と知り合う機会があって、
すでに仲良くなっていたという絆だけで、
私はその子の一番の仲良しに選んでもらえる。
トイレに行く時も、教室移動も、休み時間も。
だからもう、私は一人じゃない。
真田さんのグループが、
この子とどれだけ仲良くしたがっても。
その子は、
「私はこころちゃんといる」
と、私の方を選んでくれる。
そんな奇跡が起きたらいいと、
ずっと、
願っている。
そんな奇跡が起きないとは、知っている。
いつまでも捨てられないもの____
私には憧れている人がいる。
私より4つ年上の女性で、
叔母さんの友達の娘だ。
私が生まれる前からよく泊まりに来ていた。
私は、彼女が大好きだった。
友達もたくさんいて、可愛くて、おしゃれで。
幼稚園の頃、家に遊びに来たことがあった。
彼女のバッグにはボロボロの缶があった。
「これなにがはいってるの??」
「あー、これはね、ヘアピンとかが入ってるの」
「かわいい…!!」
「もう、ボロボロだけどね」
「じゃあ、ちょうだい!!」
「え、こんなのがほしいの?」
「うん!!」
ピエロの柄がついたボロボロの缶。
10年たった今も持っている。
何気なくもらったネックレス。
初めて遊びに行ったときに買ったぬいぐるみ。
ボロッボロの錆びついた缶。
バラバラになった食品サンプル。
どれもこれも古くて使い物にならない。
だけど、どうしても、
彼女との思い出あるものは捨てられなかった。