11/19/2025, 2:27:59 AM
するする、ひんやり。
指先から、何もせずとも体温が離れていく。
ふと、足もとに優しい暖かさを感じる。少し前までの刺すような光は、いつの間にか輪郭をまあるく、まあるく姿を変えていた。
もしかして。
上をみれば、空は高く、高く、澄んだ青をしていた。
私の大好きで大嫌いな冬が、もうすぐそこまで来ていた。
6/16/2025, 11:06:55 AM
さいしょは、くれよんでおもいきり。
ちょっと進んで、クーピーに色えんぴつ、忘れちゃいけない絵の具達。マーカーにも手をのばす。
背伸びして、鉛筆に木炭、油絵具に岩絵具。
少し進んで、ボールペン。シャーペン。スタンプにシールで思い思い。
特別な日は、特別な万年筆で。
写真が増えて、沢山書いて、描いて。
最期はきっと、筆をとる。
お題:『記憶の地図』
6/16/2025, 8:45:14 AM
ひとつだったマグカップ。
新品つやつやマグカップ。
しばらく使ったマグカップ。
水面に映る、雨模様。
ひびが入ったマグカップ。
土を入れて、種うえて。どんなお花が咲くのかな。
ふたつ寄り添うマグカップ。
どうかどうか、続きますよう。
みっつに増えたマグカップ。
あったかほこほこマグカップ。
お題:『マグカップ』
5/7/2025, 1:35:52 PM
お題:まるで初めて秘密基地を作った時のような。
嵐の前に、なんとはなしに自分の部屋で毛布に身を包み、遠くの空を見る。怖い訳でもないけど、なんだかわくわく、そわそわ。遠くで雷鳴がなり始め、徐々に空が暗くなる。本当に来てしまうんだと、鼓動が早くなる。
びゅうと駆け抜けた風は、どこか遠くの山の匂いがした。
3/1/2025, 7:37:21 AM
冬と春との境界線の日に、日陰でそっと感じる冬の残り香がすごく好きだ。
指先をふっと撫でて、極わずかな春の香りを乗せて、頬を撫でて通り過ぎる風がいつまでも感じられたなら良いのに。