夜の海は静かだ
さざ波だけが響いて 辺りは深く眠っている
白いワンピースとサンダルだけで砂浜を1人歩く
1日のうちの邪念も憎しみも何もかも海に流す
ザパーン
カラン
何だろう 音のした方へ足を運ぶ
「これは……」
よくドラマとかにある瓶と手紙 だ
コルクをポンッと取って手紙を見てみた
「……この手紙を受け取ってくれた人へ
あなたにささやかなプレゼントを贈ります」
プレゼントって何だろう
そもそも私が手紙を受け取ったこと
なんて分からないだろうに
カラン
「何か……入ってる?」
貝殻だ
それは純白の貝殻で
見とれてしまうほど綺麗だった
…………………。
キラッ
「ん眩し、」
灯台の灯りが何かに反射したのだろうか
「わっ……」
赤く透き通る石を見つけた。
少し考えて……
さっきの手紙と一緒に瓶の中にいれた。
「また誰かの手に渡るといいな」
ザパーン
流した瓶が海に呑まれていく
静かな夜の海のどこか、誰かの手に渡る。
歩きだと疲れちゃうし、車だと何となく面倒臭いし好きに止まれない。
その点自転車ってなんて素敵なんだろう。
鍵を挿して、
ハンドルを切って、
風を切って、
立ち漕ぎしてみたりして、
何気なく漕ぐんだよね
あの時の景色も、草の匂いも工事現場のくっさい臭いも、ぜーんぶ好きだから
いつか自転車に乗って日本一周してみたい
「おじいちゃんみたいに長生きしたいなあ」
「おじいちゃん今年で245歳でしたっけ」
「この歳になってもまだ元気じゃ。
ホォッホォッホォッ」
「おじいちゃん!僕1000歳まで生きたいな!それで、おじいちゃんの歳を越して、大人になるんだよ!!」
「そうかい。おじいちゃんにとってはいくつになってもおまえは可愛い孫だけどな。」
「なんでおじいちゃんは長生き何だろー?
おじいちゃんなんでー?」
「おまえが毎年会いに来てくれるから今日まで楽しみに生きていられるんじゃ。
からだもこころも健康に過ごすことが長生きの秘訣じゃよ」
君の奏でる音楽がキライだ
もう聴きたくないよ
遠くへ逝ってしまった君を思い出したくない
でも君の奏でる音楽が好きだったよ
僕は今日も麦わら帽子をかぶっている。
デロデロデロデロデロデロデロデロ デンデロン
この音を聴くとあの夏を思い出す
よく晴れた夏の日、君は僕にこう言った
「この帽子をお前にあずける。おれの大切な帽子だ。返しには来なくていい。今朝教会で呪いをといた呪いの帽子だからな。」
そう言って僕に麦わら帽子を被せた。
その瞬間なにか変な音が聞こえて麦わら帽子が外せなくなったんだ。僕は子供だから100Gしかお金を持っていない。教会で呪いをとくには50000G必要だ。
突然行動不能になったり普通に頭が蒸れて痒いが、我慢している。今は呪いをとくお金を稼ぐために地元の漁業を手伝っている。いつかあいつに帽子を返しにいくんだ。この呪いの麦わら帽子を……