Lemon

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7/6/2024, 10:12:28 AM

7/5/2024, 2:59:04 PM

_星空_


なかなか眠れずにいた私は今日もこっそり抜け出して、周辺の、夜道を歩いていた。

上を見上げると、雲ひとつない、あたり一面に星が散らばっていた。私は思いっきり空を仰いだ。

毎日毎日、苦しい日々の繰り返し、もう、疲れてきちゃった。皆んなは私を頑張って生かしてくれるけど、正直、私はもうどーでも良くなってる。

ほっといてよって感じだな。…本当に。

ふと我に返って、少し急足で建物の中に入っていった。

暗い廊下を歩いていると、もう皆は寝ているみたいだ。
管理人さんにバレないように、静かに戸を開け
病室に入った私は、自分のベッドに横たわった。

窓からは、また、星が私を照らしていた。

明日も、頑張れって。

6/28/2024, 1:04:43 PM


6/27/2024, 12:28:24 PM

_ここではないどこか_


現在高校二年生の私は、隣町の高校に通っているため、
登下校はよく電車を使っていた。

電車に乗っている20分間は意外にも長く感じて、
私はその空き時間に良く本を読んでいた。

本を読んでいる時はあっという間に終点についていて
電車通学で欠かせないものは小説一択だけだった。

ある日、朝寝坊して急いで家を出て行ったところ、なんとか電車には間に合ったが肝心の小説をリュックの中に入れるのを忘れていた。

これじゃあ暇だよぉ…。スマホでも見る…?いや、私あんまりスマホ見ないタイプだった…。

暇で仕方なく、席に着いて、周りの人々の仕草を観察して楽しんでいた。

周りの大人達、高校生は皆スマホの画面を見つめている。私みたいに本を読んでいる人なんてそうそう居ないんだなぁ…

そう思っていた瞬間、私の目に入ったのは、同じ高校の制服の人。制服のネクタイからして先輩かな…?

なんと、その先輩も私と同じく本を読んでいた。
しかも同じ作家の…!

こんな人混みの中、じっくりと本を読んでいるその姿は、何だか私には愛らしく見えた。初めて会った人なのに、その人の事が気になってしかたなかった。

本も好きで、作家も一緒だなんて…ふふっ趣味が合うのかも

など、呑気なことを考えていたらあっという間に終点の場所。早く降りなきゃ。

…明日も会えるかな?
いつか話して見たいな。






月日が経ち、
三年生になり、受験シーズン。
猛勉強中で、本なんか読んでる暇はないため、いつもと同じようにこの時間帯だけ特別な時間だった。

あの時、彼、先輩に声を掛けなければ、今頃ずっと後悔していた。

そして私は何処かで期待の心を持っている。
また、この電車の中で、巡り会えるかもしれない。

また、話せるかもしれない。

ここじゃなくてもいい、ここではない何処かで、また。

彼とお話がしたい。

その為には、やっぱり彼と同じ大学に行かなきゃいけない。

たまたま私が勇気を出して声をかけたあの日、彼に聞いてみたら、彼も私と同じ所の大学希望だった。私は凄く嬉しかった。受かったら、そこに彼がいる。

彼は応援してくれた。受験生頑張れって。

彼は言ってくれた。次は俺から話しかけるねって。

待ってます。次、ここではない何処かで会える日、それまで


精一杯の実力を出して、大学受験、受かってみせます…!

6/26/2024, 1:54:35 PM

_君と出会った最後の日_


君と初めて会ったのは、登下校使用の電車の中だった。

沢山の人の流れができている中で、すれ違った見覚えのある制服は、自分が通っている高校そのものだった。

制服からして、年下か?
同い年にこんな人いたっけ…?

それにしても、可愛いな…

彼女は、いつも同じ席に座っていて、人々は皆スマホに夢中になっている中、彼女だけが静かに小説を読んでいた。

俺はそんな彼女がいつしか目が離せなくなっていた。

彼女の趣味と合わせるためにか、いつのまにか俺も電車の中で本を読むようにしていた。

桜が咲き始めた三月。とうとう明日は俺ら三年生の卒業の日だ。

電車の中で彼女と言うものを見つけ、一目惚れして、ずっと話せないまま終わってしまう。

そんな感じで終わって良いのか…?そんな疑問が生まれても、俺は黙って何もできなかった。

あぁ、今日で本当に最後なんだ…。

そう実感して、諦めたその時。後ろから見知らぬ声が聞こえてきた。

「あ、のっ…先輩…今日で卒業ですよね、?その、良ければ、私がいつも読んでるこの本、受け取ってくれませんか…?きゅ、急にすみません…っ!」

彼女だった。

え、な、なんで、彼女から声かけられたんだ?
普通逆じゃないか…?

「えっあ、い、良いんですか…?」

「あっえっと、話した事ないのにすみませんっ…その、ずっと気になってて…読んでいる作家が同じだったので…、一度話して見たいな…って。」

嘘…。
彼女から、しかもずっと話して見たかった。なんて…

てか俺情けないな?!先輩の癖に年下の彼女が話しかけなければ俺らの関係一切無縁だったぞ?!

「あ…っお、俺もずっと話して見たかったんです…!その、貴方とは違う意味で…。な、なんてね、ははっ」

うぉぉ、何言ってんだ俺。

「…話しかけてくれてありがとう。すっごく嬉しい。でも、今日でもう、会うのが最後かも知れないから…遠慮なくその本、受け取っても良いかな…?」

「…!良いんですか…!これ、凄く面白いんですよ!」

それから、最後のときまでずっと雑談をしていた。この時間が終わる、最後まで。

プシューーーーーー……

「あ、、降りる駅…ですね。」

「そうだね、今日はありがとう。楽しかったよ。…受験生、頑張れ。」

俺は最後まで、彼女に笑顔を耐えさないで言葉を尽くした。

「はい…っ先輩…またお会いできたら…話しかけますね」

そう言う彼女は、嬉しそうに微笑んでいた。

「あぁ、でも今度は俺から話しかけさせて。」









一年後。それが、今からみて、彼女との最後の話。

四月、君が来るのを期待して良いんだよね。
受験、頑張れよ。



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