恋愛なんて分かるかぁ!!
主「セッイッヤー!」
(ピンポーンとインターホンを押して)
セイヤ「ん…はい、?またアンタか、それで、どうしたんだ?」
主「聞いて!あ、いや見て?」
これ!と言いながら主はお菓子の袋を出して
セイヤ「…なんだ、これは」
主「懐かしいお菓子でしょ?小さい頃誰もが食べたうみゃいスティックの新作!その名も、謎の味!」
セイヤ「謎の味、?結局なんの味なのか分からないな…」
主「だからいいんだよ!ほら、たべよう!」
セイヤ「…まぁいいか、ほら、入れ」
主「お邪魔しまーす!」
今日も今日とて日常は繰り返される。
最近の私の楽しみは、彼女の寝言を聞くことだ。
彼女はよく夢を見るらしく、眠りが浅いので余りいい事ではないのだが、夢の内容が毎度少し想像の斜め上の行く。
ある日は「もう食べれないよ、やめよう」と言っていたので、何か食べている夢を見たのかと聞いた。
そうすると彼女は
『え?今日の夢はね、んーと、貴方にずっと人参を食べさせるの、人参が』
「人参が、!?」
『そう!人参が嫌がるあなたにずーっと人参を食べさせてきて、さすがに可哀想だから止める夢を見たんだよ』
などと、変な夢ばかりを見る。
人参が人参を食べるのを勧めてくるとは…
話は変わり今日から彼女は長い任務に行くらしい。
出る前に挨拶に、と来てくれた。
『レイー!来たよー!』
「私から行くといっただろう…」
『まぁまぁ、今日から私1ヶ月間居なくなるけど大丈夫?寂しくない?』
「安心しろ、お前のいない生活は何年もしてきた」
『それとこれとは別でしょー?もう、』
「ふ、お前こそ忘れ物はないか?向こうの天気は今は安定してるらしいが…」
『大丈夫だよ、安心して!私はなんてったって臨空市1の深空ハンターだよ!』
「…そうだな、気をつけて行ってこい」
『はーい!行ってきます!』
あれから2週間が過ぎた、どうやら彼女は忙しいらしく、私に連絡をする暇もないらしい、まぁいいだろう、向こうの天気は安定しているし、今回の任務は磁場の調査だけだ、特に心配することもないだろう…
彼女が私の部屋から消えてから1ヶ月以上過ぎた、出張が長引く際は連絡をしろ、と言っていたのだが、もう彼女のブランケットは私の匂いに染まりかけてしまっている。どうしたものか。
あれから2ヶ月が過ぎ、連絡も途絶え、ハンター教会に連絡を入れたのだが、彼女は、行方不明になっていた、
書く気力が無くなりました!完!
『アンタが死んで…かなりの月日が経つな、今日はようやく覚悟が着いたんだ、だから、アンタに向けて手紙を書こうと思う。』
ここまで書いて俺はペンを止めた、
セイヤ「すまない、これが最初で最後の嘘だと誓おう」
本当は覚悟なんて、気持ちの整理なんて着いていなかった。今もどこかで、アンタが生きていて、ひょこっと帰ってくるんじゃないかと考えてしまう
セイヤ「アンタが死んだなんて、今でも信じられないな…俺の前で、死んで、もう既に葬儀もして、骨になったって言うのにな…」
小さなうさぎのペンダントを握りしめた
ワンダラーに突然襲われたな、あの時俺は言ったぞ?これは危険だ、1度準備を整えてから、って
連戦で既にボロボロだったアンタは、それでも戦うって言って、それで…
セイヤ「…わかった、俺はこっちをやる、だからアンタは…!危ないっ!」
一瞬のことだった、アンタの体が、貫かれた
セイヤ「おいっ!息をしろ、ゆっくりでいい、今から撤退して、俺のEVOLで病院まで、!」
主人公「けほっ、もぉ、むりらよ、あなが、ぽかんって、あいちゃっら、」
セイヤ「まだ間に合うかもしれないだろ!」
主人公「たとへ、いきたとしへも、わたひはもうだめらよ、だから、せいや、なかないで、?ごぽっ、いつもは、あんなにむひょーじょーなのに、そんなに、ないたら、かおがかたまっひゃうよ、」
セイヤ「それでも、いきててほしいんだ、!だから、そんな、そんな事言わないでくれ!」
主人公「せいや、あいしてるよ、元気でね…」
セイヤ「主人公、?なぁ、起きてくれ、!」
あのことからかなりの月日が経った今でも、思い出すと正直眠れない、いつもなら、いくらでも、アンタが寝すぎて体固まらないの?って心配するぐらいには寝れるんだがな…アンタのせいだぞ?
そこまで考えて、俺はまたペンを持った、これを書き終えたら、俺はこの手紙を持って、アンタの所にいこうと思う、死ぬ訳じゃない、届けに行くんだ
『アンタが死んでから、もう既に色々変わったぞ、アンタの席はもう無くなってしまったし、アンタが集めてたあのコレクション達は、今は俺の部屋に飾ってある、色々増やしたぞ。アンタのソファは俺の部屋でくつろいでる、アンタの事を忘れることなんて、俺には絶対に出来なかった。
それで、アンタは言うんだろうな?結構元気にしてたね、悲しまなくてよかった!って、そんなわけないだろう、アンタが居ないと、俺は顔が一つも動かない、近所じゃ偏屈じいさんとでも言われてそうだ、アンタと植えたりんごの苗木は、もう立派な大樹だ、近所の子供たちやお年寄りまで、勝手にもいでいく、まぁそれはいいんだが、次の季節は一緒に食べよう、甘い林檎だ。それじゃあ、今から俺はこの手紙をアンタに届けに行く。』
ここまで書いて、ようやく書き終えた
セイヤ「けほっ、はぁ、最後ぐらい、迎えに来て欲しかったが、まぁ、俺から行こう、待っててくれてないとか、そんな事言うなよ?」
そう言って、俺は最期の眠りにつく
𝑒𝑛𝑑
手紙を届けに、永遠の眠りへ
僕の、僕の彼女が死んだ
突然の事だった、トウから電話がかかってきて、
トウ「ホムラ!今やってるニュース、主人公さんじゃないか!?」
ホムラ「なんだい急に、ニュース?彼女がまた人を救ったんだろう?もう慣れたよ…」
トウ「違うっ!この、『女性深空ハンターが突然のワンダラー襲撃に会い、市民を逃がし、死亡…』年齢も、名前が、上の苗字だけ、出たんだが、主人公さんのと、同じなんだ…」
ホムラ「…は、な、なんだいその趣味の悪い冗談は、この前の個展に出席しなかった仕返しかい?
あまりにも、趣味が悪すぎる、言っていいことと悪いことが…」
トウ「そんなわけないだろう!こんなこと、冗談なら、良かったよ…」
ホムラ「…本当に、?」
トウ「…恐らく、今確認を取ってる、そっちからも頼んだ」
ホムラ「あぁ、わかったよ」
結果的に言えば、トウの言った通り、亡くなったのは彼女だった、昨日まで、僕のソファに座って、アイスを食べながらぐだぐだしていて、僕のキャンバスにこっそり小さな子豚を描いていた、彼女が亡くなった。
トウは気を使ってか、1度今入っている依頼を全てキャンセルしたらしい…トウらしくも無い、
葬儀はどうやら親戚だけしか出席できないらしかった、どれだけ頼んで、懇願しても、顔すら見せて貰えなかったよ、はは、神様は意地悪だね。
遺書なんかを用意していたらしい、まるで分かっていたのかな?どうやら僕宛のもあったらしい。
『ホムラへ
これを呼んでいるって事は、私はもう死んだのかな?それとも、隠し場所がバレたとか!?
まぁ、前者の前提で話を進めます。
ホムラ、今までありがとう、愛してたよ』
そこからはずっと愛の言葉ばかりだった、いつも照れてなかなか言ってくれないのに、こんな時だけ、こんなもので…ききたくなかったよ、きみのくちから、ききたかった、っ、!
最後にひと文、裏に書いてあった、
『ねぇホムラ、私の骨はね、あなたの故郷、リモリアの海に撒いて欲しいの、これはほかの人宛の手紙にも書いてあるから、きっとこの手紙と一緒に私の骨が渡されると思う、だからお願い、これが最後のおねだりだよ!』
あぁもちろん、君のお願いならいくらでも、って、いつもなら平然と言えたはずの言葉も、今はただの嗚咽としてしか出てこないよ、
うん分かった、彼女が無くなってから約2週間、ようやく覚悟が着いたよ。
そうと決まれば、!ということで、海にやってきた
5日もかかってしまったよ、途中で君が好きそうなお菓子とか、納豆味のチョコなんて物もあったんだ
思わず買ってしまったね、本来ならこんなもの海に入れるなんてだめだし海の神にも怒られてしまいそうだけど、最期なんだ、餞別として向こうで食べておくれよ。
ホムラ「今までありがとう、僕の、ボディーガード、いや、僕の愛おしい最初で最後の恋人さん」
あれから1ヶ月、今は大して前と変わりなく日常が続いているよ、レッドも元気にしているし、昨日は水換えもした、聞いておくれよ!ようやくレッドの恋人を連れてきてあげたんだ、名前はまだ決めてないけど、何がいいかな、今はお見合い中だよ、君がいたら、レッドに声援を送るんだろうなぁって、
君の代わりに僕が声援を送ってあげてるよ。
ねぇ、レッドも居るし、レッドの恋人もいる、
もちろん僕もいるよ?だからさ、早く生まれ変わって、僕の所へ来ておくれよ、猫でも僕は頑張って君のお世話にしてあげる!だから、会いたいよ…
𝑒𝑛𝑑
彼女だけが居ない、ごく普通の世界