テーマ 好きな色
「好きな色はなんですか?」
よくある質問。最初の自己紹介カードとかで書かれるやつ。あれって面倒なんだよね。
「..黒かな」
「...なんか特殊だね」
ほらこうなる。好きな色が黒ってだけでなんか特殊と言われる。僕だってかっこいいのには憧れるんだよ。あと黒って何にも染まらないでしょ。それがいいんだ。
「...血じゃんめんど」
あと黒いのは仕事のせいでもあるかも。でも昔この仕事に着ってわかってたのかな。
「...ぁ」
黒い空が僕の目にはより一層きれいに見えた。
「..バンッ」
邪魔するやつがいて台無しだけど。
おわり
テーマ あなたがいたから
「星を見に行こう!」
あなたがいたから。
「...そうだね」
「施設ちょっとくらい出ても大丈夫でしょ!」
外をしれた。
「...綺麗」
「輝いてる!...」
空の星は施設を出たことのない僕らにとって新しいものだった。
「...脱出してしまったんだね」
誰かの大人の声が聞こえた。空耳ではなさそうだ。
「....え」
銃声が鳴り響いた。一人の子供は銃弾を受け、もうひとりの子供の目は光がなくなっていった。
あなたがいたから、
恐怖を知れた。
おわり
テーマ 1年前
「また少ない報酬か...」
呆れてくるがそれしか生活費を稼げない。仕方ない。片付けてくるか。
「...あぁ」
ターゲットのホテルの窓からきれいな夜景が見えた。まぁ少しくらい休んでいいか。
「やけいきれいだね!」
「うん!」
楽しく見ていた過去。でも、もう違う。僕の世界は1年で真っ赤な世界になってしまったようだ。
おわり
テーマ 好き嫌い
「好き嫌いはいけません!」
保育園の人が言っていた。好き嫌いっていけないのかな。
「残さず食べましょうね〜」
学校の先生が言っていた。
食べれないのに食べさせてもいいんだ。もう食べれないのに残しちゃいけないんだ。少食で食べきれない量のご飯を出されて食べ残しちゃいけないんだ。
食べなきゃいけないんだ。
「残しちゃだめなので食べましょう」
残したらこう言う。こっちの気持ちになってほしいな。
人は人の気持ちがわからないんだ。頭おかしいね。
おわり
テーマ 世界の終わりに君と
「...」
空に手を伸ばした。到底届くはずのない空に。
「...ぁ」
家の鍵閉めたかな。猫に餌やり忘れてないかな。全然関係のない不安が襲ってきた。
「...え」
視界がぼやけてきた。やっぱり目が見えなくなるんだ。誰にも言えなかった。言う勇気がなかった。
「一旦その場所から離れて!!」
後ろから聞いたことがあるような声が聞こえる。もう誰なのかもわからないや。
「さよーなら」
僕の世界に終わりを告げた。このしょーもない人間の世界に。
おわり